2017.09.26資産運用

株価、日経平均が2万円を挟んだ動きになるのは?

Text : 柴沼 直美

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お客様からよく受けるご質問の1つに「日経平均が2万円を大きく突破しないのはどうしてか?」「2万円に近づくと利益確定売りにおされる」というものがあります。今回はこの点について検証したいと思います。

 

指標からみると2万円は居心地のいい水準

 
株が上昇しすぎているのか、まだ上昇余地があるのかを判断する指標としてPER(株価収益率:利益の何倍まで買われているか)を使います。過去10年間の平均でだいたい13~16倍の水準で日本株は推移していますが、2017年9月19日現在で14~16倍となっています。

この数値からだけで判断すると、2万円の壁が厚いのは理論的にも納得できる、つまり2万円がいいところ、といえるでしょう。その水準を超えての上昇が見込まれるためには、株価=利益×PERという式の構造から考えても、利益水準そのものが上昇しなければなりません。

 

どうしても日本株は為替頼り

 
利益伸張の源泉ですが、現状の日本株では為替(円安)という範疇から抜けられないのが現状です。

あえて言うならば、コスト削減(特に人件費の圧縮)というのがあげられるかもしれませんが、増収はそれほど期待できない中、コストカットにより増収以上の増益率が「企業単位では」実現できたとしても、その企業の従業員の給与は増加しないので消費にお金を振り向けようという動きが出ない。消費が盛り上がらない、すなわち売上伸張が期待できない。という堂々巡りに陥っているのです。
 

「増益」ではなく「増収増益」が株価の持続的上昇の原動力

 
このような状況から、日本株が2万円という厚い雲をぶち破ってさらに上昇することが期待しにくいのではないでしょうか。消費が盛り上がる、消費者がお金を使う、企業はコストカットではなく、増収増益によって収益を伸ばすという将来図が見えない以上、日本株の2万円天井説は崩れないと思います。

よく外国人投資家の買いが入らないという「需給面での現象」だけを取り上げて日本株の上昇力の弱さを説明しようとしますが、外国人投資家がなぜ買いという行動に出ないのか、という根本的な原因と向き合うべきです。

人口減少というトレンドが反転することがあり得ない中、生産年齢人口=消費者数減少のマイナス面をカバーして増収につながるしくみに真っ向から取り組んで、「為替」という外的要因および日銀による買い支えという需給要因に左右される相場から卒業することを期待している投資家も多いと思います。

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柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com