2017.09.28資産運用

買うタイミングよりもはるかに難しい利益確定のタイミング

Text : 柴沼 直美

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再三にわたりご質問を受け再三にわたり回答している「利益確定のタイミング」。資産運用については、買うタイミングよりもはるかに難しいといわれていますが、それほど難しい課題ならば、小難しく取り組むより気軽に考えてみましょう。

 

買付け価格より上昇していればOK

 
利益確定とは「収益を(換金することによって)実現させる」のです。平たく言うと買付け価格と手数料<現在の価格であれば、利益確定すればいいのです。

難しく考えるのは、これに『欲』という理屈では説明できない厄介な感情が加わってきて、さらにその感情が理性を凌駕してしまうためにおこります。つまり「あともう少し」「ここで手放すと儲けが少なくなるかも」という気持ちが出てくることによるもの。あるいは買い付け価格を下回った場合には、毎日が胃を締め付けられる思いで「どうして?」「いつになったら戻るの?」というイライラが支配してほかのことは手が付けられなくなります。

こうなると近視眼的に買った商品の値動きだけをただ監視するだけになってしまうので、ますます全体的な動きがわからなくなります。一歩引いて冷めた目でぼんやり眺めましょう。

 

最初から線を引くのも有効

 
最初から利益(損失)確定のラインをざっくり引いてしまうのも有効かと思います。例えば、(手数料控除後で)10%確保できたらいったんは手仕舞う。というルールを最初に決めてしまいましょう。

たとえ相場の上昇トレンドが続きそうでも、一度自分のルールを厳格に順守した売り買いを経験すると、次回からはそれほど抵抗がなくなります。やがて、相場が下げ止まらない局面が来た時も、自分のルールに則って損失を確定してしまうことがすんなりできるようになり、感情に踊らされない理性に基づいた投資行動ができるようになります。

 

相場に振り回されるのか、相場の波にうまく乗るか

 
資産運用と、四文字熟語を並べると難しいことをやらなければならないとか、「わからない」「やったことがない「できない」という言い訳がたくさん聞こえてきますが、相場に振り回されるのではなく、相場の波にうまく乗れるように慣れていきましょう。

自転車に乗ることと何も変わりはありません。失敗を重ねて徐々にカーブでも坂道でもうまくハンドル操作をこなせるようになるのですから、プチ成功体験を積み重ねていきましょう。

本を何百冊読むよりも、売り買いのタイミングを自分なりにつかむことのほうが貴重ですし、これは体験することでしかマスターできないのです。

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柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com