2017.11.24資産運用

「つみたてNISA」だと最大800万円分の税金が非課税って本当?

監修 : 加藤 梨里

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今回の相談者は編集部A。以前、Aさんは、リリ先生にNISAについて基本的な情報を教えてもらい、自分でも少しずつ活用していました。ところが先日、来年から「つみたてNISA」なるものはじまると友人から教えてもらいました。

今あるNISAと、つみたてNISAはどう違うのか?いろいろ気になってきたAさんは、またまたリリ先生のもとを訪ねてきたようです。

2018年からはじまる「つみたてNISA」って?

Aさん
こんにちはリリ先生。今日は、来年の1月からはじめる「つみたてNISA」について教えてもらいに来ました。さっそくですが、つみたてNISAがどういうものか教えてもらえないでしょうか?

リリ先生
わかりました。さっそくはじめましょう。
Aさんには以前、2014年からスタートした少額投資非課税制度「NISA」についてご説明しましたね。年間120万円までの少額の投資で得られた利益に税金がかからなくなるという制度で、税金面で大きなメリットがあるとお話しました。今回のつみたてNISAは、その積立版ということになります。
 
Aさん
積立版?

リリ先生
はい。具体的には、少額、長期、積立で投資したときに出た利益について、年間40万円の投資額まで非課税になるというものです。非課税になる期間は最長20年間です。毎年40万円投資すれば、最大800万円分の投資にかかる税金が非課税になります。
 
Aさん
最大800万円分の投資にかかる税金が非課税か……なんだか期待が高まる話だなあ。
ちなみに、もともとあったNISAと、今回のつみたてNISAでは、どういうところが違うのでしょう?

リリ先生
ざっくりと違いを言うと、まとまった金額で投資するのはNISA、月々少しずつ投資するのはつみたてNISAということになります。NISAは株式と投資信託(※)が投資対象となりますが、つみたてNISAは一定の要件を満たす投資信託のみが投資対象となります。ここも大きく違うところですね。
 
2つの制度の違いを表にまとめたので、チェックしてみてください。


 
Aさん
NISAは比較的多くの投資額が毎年非課税になるけど、非課税になる期間は短いですね。それに対してつみたてNISAは、毎年非課税になる金額は少なめだけど、非課税になる期間は長くなっています。
 
つみたてNISAの方は、少額で、じっくり投資を続けることに向いている制度なわけですね。となると、このつみたてNISAはどのような人に向いているのでしょう?

リリ先生
たとえば、投資の初心者の人で、「少しずつ投資をしたい」「厳選された投資信託に絞って投資をしたい」「長い時間をかけて投資をしたい」というときには、つみたてNISAが向いていると思います。
 
Aさん
ふむふむ。

リリ先生
投資信託は全体で6000本ほどありますが、つみたてNISAの対象となるのは、コストが低いもの、信託期間が長いもの、毎月分配でないものなど、長く運用するのに適した条件を満たした約120本(2017年11月現在)に絞られます。
 
このため、「自分で投資信託を選ぶのが面倒」という人にも、選択肢が絞られる分、はじめやすくなると思います。
 
また、つみたてNISAは、積立投資専用なので、利用する際には、少しずつ買い増しながら長期で運用して成果を積み上げていくことになるので、“買い時”や“売り時”を短期的に判断することは一般的な投資と比べて少なくなります。
 
このため「仕事が忙しくて投資にあまり時間をさけない」という人にも向いているのではないでしょうか。
 
Aさん
そうかあ、普段、仕事で忙しいぼくは、もしかしたら、つみたてNISAの方が向いているかもしれないなあ。なんちゃって(笑)。
最後に、つみたてNISAを利用するときの注意点を教えていただけますか?

リリ先生
初心者の人が知っておくべきことをいくつか挙げますね。まず注意したいのが、一般のNISAとの併用はできないということです。
 
つみたてNISAとNISA、年ごとにどちらを利用するか選ぶことになります。あと、年間40万円の非課税枠は、年末時点で未使用分があったとしても、翌年に持ち越すことはできません。

また、つみたてNISA口座で購入した投資信託の非課税期間が終了したあとに、新しい年の非課税枠に移し替えること(ロールオーバー)はできませんので、注意してください。
 
Aさん
今回も勉強になりました!リリ先生、ありがとうございました!

(※投資信託とは、投資した資金を運用の専門家に預け、その専門家が株式や債券などに投資・運用して得た利益を、投資額に応じて分配してもらう仕組みのこと)
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■今回のまとめ
・「つみたてNISA」とは、従来の少額投資非課税制度「NISA」の積立版である。少額、長期、積立で投資した際の利益について、年間40万円の投資額まで非課税になり、非課税期間は最長20年間となっている。

・つみたてNISAの投資対象となるのは、一定の要件を満たす投資信託である。

・一般のNISAと、つみたてNISAは併用できない。年ごとにどちらか選ぶことになる。

・つみたてNISA口座で購入した投資信託の非課税期間が終了した後、新しい年の非課税枠に移し替えること(ロールオーバー)はできない。
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監修:加藤 梨里(かとう りり)
CFP(R)認定者
マネーステップオフィス株式会社代表取締役

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加藤 梨里

監修:加藤 梨里(かとう りり)

CFP(R)認定者
マネーステップオフィス株式会社代表取締役

保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーの相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。テレビ、雑誌取材多数。日経WOMAN ONLINE、東洋経済オンライン、マイナビニュースなどにて執筆多数。趣味は料理。2008年にはNHKきょうの料理クッキングコンテストにて優勝経験も持つ。大学では、食事や運動による健康増進とライフプランの関係について研究中。慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科特任助教。

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