2017.05.12保険

就業不能保険とはどんな保険?自営業なら必要だけど会社員なら不要?

Text : 森田 和子

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もしも働くことができなくなったらと考えると誰でも不安になるものです。そのような場合に備えるのが就業不能保険です。以前から収入を保障する保険はありましたが、最近特に関心が高まっているようです。

毎月の収入を補償

市川さん(仮名)は35歳の会社員です。造園業を営む友人から「もしも仕事ができなくなって、収入がなくなると困るから、就業不能保険に入った」という話を聞きました。そう言われてみれば、確かに毎月の収入が途絶えてしまうのは心配です。市川さんは自分もその保険に加入するべきか悩んでいます。
就業不能保険の他にも、所得補償保険、お給料保険、給与サポート保険など、保険会社によって名称が違いますが、これらの基本的な仕組みは同じものです(以降、所得補償保険とします)。病気などの理由で働くことができなくなった場合に、所得を補償する、つまり収入を補う保険となっています。
病気やケガで働けなくなった状態が、60日や180日といった一定期間の対象外期間を過ぎると、その後は月10万円、30万円など一定の給付金を、就業できるようになるまで受け取ることができます。給付金の額は契約時に決めますが、収入の6~7割が限度額になるのが一般的です。現在収入を得ている人の他、設定できる給付金に制限はあるものの、専業主婦も加入できる保険があります。

健康保険で不足する部分をカバー

市川さんの友人のように、自営業の人は仕事で休むことが収入減に直結しますから、所得補償保険で備えておくことが安心につながります。
一方、会社員の市川さんは、病気などで働くことができなくなった場合にも、勤務先で加入している健康保険から傷病手当金を受け取ることができます。これは働くことができなくなった日が続いた4日目から最長1年6カ月の間、標準報酬月額の3分の2にあたる金額が支給されるものです。会社員は働くことができなくなっても直ぐに無収入になってしまうわけではありません。しかし、働いている時と全く同じ収入が得られるわけではないので、住宅ローンの返済や教育費の負担がある市川さんは加入を検討するとよいでしょう。
また、傷病手当金を受け取れるのは1年6カ月が限度になるので、所得補償保険があればそれ以降について備えることもできます。
所得補償保険は損害保険会社でも生命保険会社でも扱われ、保険によって補償内容にも違いがあります。勤務先の団体保険として斡旋されることもあるので、それも含めていくつかの保険を比較して検討してみましょう。

似ているようで違う収入保障保険

所得補償保険と名称が似ている保険に「収入保障保険(家族収入保険、生活保障保険)」がありますが、これは内容の異なる保険です。被保険者に万一のことがあった場合には、それ以降受取人が毎月一定額を受け取っていく保険です。例えば夫が被保険者、受取人が妻の契約で、夫に万一のことがあれば、妻は一定期間毎月20万円を受け取ります。これは死亡保険金を一括ではなく、分割で受け取る保険ですから、死亡保険の定期保険や終身保険が形を変えたものと考えてよいでしょう。所得補償保険とは性質の異なる保険ですから混同しないように注意が必要です。

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森田 和子

Text:森田 和子(もりた かずこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)。FPオフィス・モリタ 代表

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、独立。
保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。
企業・学校・イベント等で行うマネープランセミナー・講演も好評。
NPO法人日本FP協会、WAFP関東(女性FPの会)所属。
http://okane-net.com/