2017.08.21保険

10歳払い済みの学資保険はお得? メリットとデメリットは?

Text : 森田 和子

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 子育て中の人なら誰もが気になるのが学資保険です。子供が18歳や22歳になるまで保険料を支払うものが多くなっていますが、中には10歳までで払い終えるものもあります。今回は10歳払い済みの学資保険について考えてみましょう。

学資保険・子ども保険とは

 

 将来の教育費の積み立てを主な目的とした保険が「学資保険」や「子ども保険」です。保険会社ごとに違いはありますが、一般的には

 

(1)教育資金の積み立て

(2)契約者(親など)の保障

(3)子どもの保障

 

の3つのうち、(1)の積み立てを基本の保障とし、必要に応じて(2)や(3)を付けて契約します。

 

 どの保険にも共通しているのは、教育資金を積み立てることができ、契約者の死亡時にはそれ以降の払い込みが免除されることです。例えば、子供が小学生の時に契約者である父親が死亡した場合には、以降の保険料は支払う必要がありません。18歳などの決まった受け取り時期に、200万円など契約通りの満期金・お祝い金を受け取ることができます。子供保険の満期には、大学進学に合わせた18歳満期、大学卒業までをカバーする22歳満期などがあります。保険料を支払う期間は、17歳、18歳までなど、長期間にわたりますが、これに10歳払い済みの保険が近年加わっています。

 

10歳払い済み学資保険のメリット

 

 10歳払い済みの保険が登場した背景の一つが中学受験です。私立中学への進学は年間100万円程度の費用負担を考える必要がありますが、小学校3~4年生頃から塾通いが本格化し、塾の費用が数十万円から100万円を超える場合もあるなど、入学前の受験準備から負担は重くなりがちです。

 そこで、その前に保険料を支払い終える10歳払い済みの学資保険が登場しました。たとえ中学受験をしなくても、小学校高学年頃から学習塾に通う子どもが増えるため、10歳で保険料の負担がなくなるのは大きなメリットです。また、子どもが中学生で親が定年を迎える場合なども、短期間で保険料を払い終えておくと、定年後の収入が減る時期に保険料負担がないのでメリットがあります。さらに、保険会社は預かった保険料を運用するので、運用期間が長くなるほど受け取る金額は増えることになります。逆に言えば、一般的に運用期間が長いほど保険料は少なくすむので、18歳払い済みよりも10歳払い済みの方が保険料は割安だと言えます。

 

10歳払い済み学資保険の注意点

 

 10歳払い済みの学資保険にはメリットが多いので、最後まで保険料を支払うことができれば問題はありません。しかし、注意点はあります。10歳以降に教育費が増えるケースは多いのですが、10歳までの教育費が少ないとは限りません。近くに私立の幼稚園しかなく、その費用が高い場合には、子供が3歳、4歳になると突然教育費の負担が重くなります。

 また、保育園に通わせる場合にも、夫婦共働きのご家庭では保育料が思いの外高くなることは少なくありません。保険料を払い続けることができず途中で解約してしまうと、その解約返戻金は、保険に入らずに積み立てた場合よりも少なくなってしまう、つまり、損をする可能性があります。10歳払い済みの学資保険を選ぶのであれば、10歳まで支払い続けることのできる保険料の範囲で加入するとよいでしょう。また、教育資金の全てを保険で準備する必要はありません。保険と貯蓄を組み合わせて貯めていくことも考えてみましょう。

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森田 和子

Text:森田 和子(もりた かずこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)。FPオフィス・モリタ 代表

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、独立。
保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。
企業・学校・イベント等で行うマネープランセミナー・講演も好評。
NPO法人日本FP協会、WAFP関東(女性FPの会)所属。
http://okane-net.com/