2017.11.10保険

学資保険の満期より前に、入学金の締め切りが…。解約するしかない?

Text : 森田 和子

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推薦入試やAO入試がすっかり一般的になり、秋には合格通知を手にする学生も多くなりました。

進学先が早く決まり、親子で安心できるのは良いことなのですが、入学金の納入期限が思っていたよりも早く、慌ててしまう場合もあるようです。

今回は学資保険の満期よりも前に進学費用が必要になるケースについて考えてみましょう。

 

入学金の納入期限が早くなる

 
久米さんご夫婦(仮名)の長女は高校3年生です。この秋、希望する大学の推薦入試を受験して見事合格しました。

家族としても嬉しいことなのですが、3週間後に来る入学金の納入期限までにお金を準備しなければなりません。進学費用のためにと加入していた学資保険の満期は2カ月後なので、これを解約した方がよいのか、別に教育ローンを借りた方がよいのか悩んでいます。

「入学手続きの期限は10月、学資保険の満期が12月」のようなケースはしばしば見られます。今の高校3年生が生まれた頃には、大学受験といえば筆記試験を受ける一般入試が主流でした。受験シーズンがスタートするのが年明けからであれば、学資保険の満期は12月でも十分間に合います。

しかし、今や約半数がAO入試や推薦入試で受験すると言われています。今後はさらに増えるかもしれません。学資保険の満期よりも前にお金が必要な場合について考えておく必要があります。

 

学資保険からお金を借りる

 
久米さんのようなケースでは慌てて解約してはいけません。解約と契約者貸付のどちらが有利なのかを保険会社に計算してもらうとよいでしょう。

生命保険には「契約者貸付」という制度があり、契約によっては保険からお金を借りられる場合があります。

これは、保険を解約した場合に受け取る解約返戻金の範囲内で、保険を解約することなく、お金を借りる制度です。年収などを審査されることはありません。借りられる金額や金利は契約ごとに違います。

一般的には、予定利率の高い保険は貸付利率も高くなります。加入している保険から、どれだけの金利でいくら借りることができるのかは、保険会社に問い合わせれば教えてもらえます。

例えば、12月満期の満期金300万円の学資保険から、10月に100万円を借りる場合を考えてみましょう。(ここでは配当金と税金を考慮しません。)

この保険の貸付金利が3%で、日割り計算だとすれば、2ヶ月借りた場合の利息は約5,000円です。10月に100万円を借り、12月に満期を迎えると、満期金の300万円から借りた100万円が引かれ、さらに利息の5,000円が引かれた残りの199万5,000円を受け取ります。

保険会社に預けている自分の資産から借りることになるので、他の金融機関で教育ローンを借りるのとは全く違うものです。返済の手間も省けるので利用しやすいものと言えるでしょう。

 

契約者貸付には注意が必要

 
契約者貸付は学資保険に限らず、他の生命保険でも利用できる場合があります。貸付を受けている間も保障は変わりません。

しかし、借りる期間が長くなると、貸付金の元利金が解約返戻金を超えてしまい、最悪の場合には保険が失効してしまう場合もあります。

短い期間で返済できるあてがないのであれば、学資保険以外の生命保険では安易に利用しない方がよいでしょう。
 

 
Text:森田 和子(もりた かずこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)。FPオフィス・モリタ 代表

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森田 和子

Text:森田 和子(もりた かずこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)。FPオフィス・モリタ 代表

大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、独立。
保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。
企業・学校・イベント等で行うマネープランセミナー・講演も好評。
NPO法人日本FP協会、WAFP関東(女性FPの会)所属。
http://okane-net.com/