2017.11.17保険

外貨で入る終身保険 良いところ悪いところ

Text : 松浦 建二

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終身保険には保険内容を日本円ではなく、米ドル等で設定している商品もあります。

日本円建てとドル建ての終身保険では内容にどのような違いがあり、終身保険が外貨であることのメリット・デメリットは何か、まとめてみました。

外貨建ての終身保険には豪ドル建てのものもありますが、取り扱いが多いのは米ドルなので、米ドル建て終身保険を前提とした内容になっています。

外貨建ての商品は保険金額も保険料も外貨基準

ドル建ての終身保険も仕組みは円建ての終身保険と同じで、万一時には受取人が保険金を受け取ることができ、解約すれば契約者が返戻金を受け取ることができます。大きな違いは円がドル(外貨)になっていることです。
  
円建ての終身保険で仮に下記のような保険契約があったとします。
 保険金額……1000万円
 月々保険料……2万円
 30年後の解約返戻金額750万円
 
ドル建て終身保険の保険契約では下記のような内容になります。
 保険金額……10万ドル
 月々保険料……200ドル
 30年後の解約返戻金額75,000ドル
  
契約時には、円建てもドル建ても保険金額や支払う保険料、将来の解約返戻金額等が確定しています。しかしドル建ての場合、ドルで考えれば保険金額等は確定していますが、円を基準に考えると為替の影響を受けるので、確定しているとは言えません。

ドル建て終身保険のメリット・デメリット

ドル建て終身保険の一番の特徴は為替の影響を受けることです。円をドルに換える時は円高で、ドルを円に戻すときに円安だと為替差益を期待できます。
 
上の2つの例では、1ドルが100円だと円建てとドル建ては同額になります。仮に1ドル80円なら、ドルを円に換算すると保険金額は800万円、月々保険料は16,000円、解約返戻金は600万円になります。1ドル120円なら保険金額1200万円、月々保険料24,000円、解約返戻金900万円になります。
  
 保険料支払時も解約時も常に1ドル100円の場合
 支払保険料月々2万円 → 30年後の解約返戻金750万円

 保険料支払時は常に1ドル80円で、解約時は1ドル120円の場合
 支払保険料月々16,000円 → 30年後の解約返戻金900万円
※常に1ドル100円の場合に比べ、支払う保険料は2割減、受け取る返戻金は2割増
  
このように支払う保険料が大きく減って、受け取る返戻金や保険金が大きく増える可能性があります。

しかし逆に、円をドルに換える時は円安で、ドルを円に戻す時に円高だと為替差損になってしまいます。
 
 保険料支払時は常に1ドル120円で、解約時は1ドル80円の場合
 支払保険料月々24,000円 → 30年後の解約返戻金600万円
※常に1ドル100円の場合に比べ、支払う保険料は2割増、受け取る返戻金は2割減
  
為替レートは常に変動するので、上記のような単純な結果になることはないですが、死亡保険金や解約返戻金が百万円単位で変わる可能性があることは、十分に理解しておく必要があります。

また、月々の保険料も為替レートによって変動するので、注意が必要です。
 
ドル建ての終身保険は、円建ての終身保険と比べて保険料が割安であり、そこに魅力を感じている人は多いです。ドル建て終身保険のメリット・デメリットを理解し、賢く活用しましょう!
 
※ドル建て終身保険は取り扱いしている保険会社や保険商品によって仕組みが異なり、文中で触れた内容と異なる場合もあります。ドル建て終身保険の詳細については、必ず保険会社や保険代理店に確認するようにして下さい。
 
 
Text:松浦建二 CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士
http://www.ifp.cc/

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松浦 建二

Text:松浦 建二(まつうら けんじ)

CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/