2017.05.30スペシャルインタビュー

エキスパートに聞く「仕事とお金の話」⑩

明るくパワフルな自己表現ができる人は、経済的にも成功しています

Interview Guest : 佐藤 綾子(国際パフォーマンス研究所代表)

Text : 村田 保子 / Photo : 岩田 えり

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Interview Guest

佐藤 綾子(国際パフォーマンス研究所代表)

佐藤 綾子(国際パフォーマンス研究所代表)(さとう あやこ)

ハリウッド大学院大学教授。博士(パフォーマンス学・心理学)。長野県生まれ。1969年、信州大学教育学部卒業。ニューヨーク大学大学院パフォーマンス研究学科修士課程修了。上智大学大学院博士課程満期修了。日本大学芸術学部教授などを経て、2017年より現職。国際パフォーマンス研究所代表、「佐藤綾子のパフォーマンス学講座(R)」主宰、一般社団法人パフォーマンス教育協会(国際パフォーマンス学会)理事長。日本におけるパフォーマンス学の第一人者として活躍。累計4万人のビジネスリーダーとエグゼクティブ、首相経験者含む53人の国会議員と地方議員のスピーチを指導。単行本186冊、著作累計319万部。

佐藤綾子のパフォーマンス学講座(R)
http://www.spis.co.jp

パフォーマンス学の第一人者として、政財界や医学界から信頼を集め、首相経験者を始めとした多くの政治家、経営者のスピーチ指導を行う佐藤綾子先生。グローバル化する社会の中で、日本が発展していくためには、自己表現力を鍛えることが大切だと語ります。収入アップやチャンスに恵まれる機会に密接に関わり、経済的な成功にも欠かせないというパフォーマンス学について、詳しくお聞きしました。

日本にはなかった自己表現能力を鍛えるというコンセプト

 
——パフォーマンス学とはどのようなものか教えてください。
パフォーマンス学とは、自己表現のサイエンスです。それは自然に身に付くことではなく、勉強しないとできないことで、目的に合った自己表現をする必要があります。ゆっくり話さなければならないところで早く話したり、笑うべきところで真剣な顔をするなど、間違った自己表現をしている人がとても多いんですね。
学問的には、心理学、社会学、文化人類学者、スピーチコミュニケーション学、演劇学を土台とした体系的な理論と、豊富な実験データにより証明された、言葉と言葉以外の表現の特徴を活かす技法から成り立っています。
自己表現の欲求というのはあらゆる人間にあります。アメリカの心理学者のマズローが提唱した『Maslow’s hierarchy of needs(欲求5段階説)』という理論がありますが、欲求の最高次元は自己実現の欲求とされています。
しかし今まで日本には、自己表現能力を鍛えるというコンセプトはありませんでした。日本人は昔から自己表現が自然にできていると思い込んでいたんです。このままではグローバル化する社会に付いていけません。今、この国には自己表現力を鍛えることが求められているのです。

パフォーマンス学は、主に4つのエリアで活かされています。1つ目は医療です。医師が患者との信頼関係をどう作るのか。患者は医師に自分の主張をしづらいと感じることが多く、医師側には患者の気持ちを読み取る能力が求められています。2つ目は教育です。教師は表情や言葉から、生徒の気持ちを読み取る必要があります。そしてどのように言葉がけをしていくかが重要となります。3つ目が政治です。政治家は有権者に自分の思いを伝えるため、どのように語ったらいいのか、そのための自己表現方法を身につけることが求められています。4つ目がビジネスです。ビジネスの世界では利益を維持しなければなりません。経営者は自分がどれだけ優秀でも一人では利益を維持できませんから、優秀な社員を集め、社員と適切なコミュニケーションを取ることが必要になります。
 
——どのような経緯でパフォーマンス学に携わるようになったのですか?
上智大学大学院で演劇評論の研究をしていたのですが、演劇の舞台上よりも日常生活の中の自己表現のほうが、もっと面白いドラマがあるのではないかということに気づいたんです。面白いテーマだから、世界中の大学で研究されているだろうと思ったのですが、調べてみると、翌年にニューヨーク大学大学院で、世界初の「パフォーマンス研究学科」が開設されることが分かり、教授に指導を希望する手紙を書きました。でも全く返事が来なくて、結局60通近く出したと思います。今から40年程前でメールはありませんから。最後に「NOならNOで理由を教えて欲しい」と書いて出したら、OKの返事をもらって留学できることになりました。私はそこの第一期卒業生です。

パフォーマンス学の修士号を取得後、日本でパフォーマンス学を広めるために帰国し、玉川学園の理事長に直談判して大学の教員になりました。最初は「サーカスの研究をしているんですか?」などとよく言われたもので、周囲からは全く理解されませんでした。本を執筆し、大学で教鞭をとり、たくさんの人々を指導するなどの活動を続けてきた結果、最近ではその重要性がやっと知れ渡ってきたと感じています。1997年には自己表現能力の育成や教育啓蒙活動を促進する一般社団法人パフォーマンス教育協会も設立しました。活動の中心として国際パフォーマンス研究所を運営。各界のビジネスリーダーや首相経験者を含む国会議員、地方議員などの方々も、伝える力が何より大切だと考え、「佐藤綾子のパフォーマンス学講座(R)」を受講され、パフォーマンス学を取り入れていらっしゃいます。

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村田 保子

Text:村田 保子(むらた やすこ)

Financial Field エディター

 

 

岩田 えり

Photo:岩田 えり(いわた えり)

フリーランス・フォトグラファー

日本舞台写真家協会・会員。タレント・舞台俳優など人物写真を得意とする。