更新日: 2019.01.08 ライフプラン

家事や育児の評価は!? 夫婦はお互いの収入の割合に応じて、生活費を出し合うべきか?

執筆者 : 宮﨑真紀子

家事や育児の評価は!? 夫婦はお互いの収入の割合に応じて、生活費を出し合うべきか?
主婦の仕事を時給にするといくらなのか?何度となく議論されています。昨年話題となったドラマ「逃げ恥」でも、主婦を仕事として契約するという設定でした。実際は難しい問題が山積。数字に置き換えるなんて無意味!!そんな声も聞こえてきそうです。
宮﨑真紀子

Text:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

家事労働の評価は難しい

ソニー生命が20~69歳の女性1000人を対象に、毎日の家事を時給換算したらいくらになるか、という意識調査をしました。「育児・世話」が未就学児1413円、小学生以上1174円、「食事の準備・後片づけ」1019円、「掃除・洗濯」919円、「買物」833円となったそうです。育児は大変!という女性たちの気持ちが、この数字に反映されています。
家計相談にいらしたSさん(40歳男性)は、奥様(30歳)と2歳の男の子の3人暮らしです。奥様は出産を機に退職し、今はフリーランスとしてご自宅でライターの仕事をされています。家で仕事をしているという状況から、育児を含む家事全般は奥様がされています。Sさんは奥様の収入を正確に把握されていませんが、多くないので、生活費はすべてSさんの収入で賄っています。当初はSさんも納得されていたのですが、最近奥様の支出が膨らんで困っているとのこと。その対策として、それぞれの収入の割合に応じて生活費を出し合うことを提案したところ、奥様からは「育児や家事労働に関する評価が考慮されていないから不公平」と反撃されてしまったそうです。
 

二人で資金計画を共有することで解決

Sさんの提案は苦肉の策だったのでしょうが、違うアプローチがあったと思います。まず、支出が増えた理由を明確にすることが先決です。子供が2歳になって外出が増えたのか、奥様のストレス発散の消費だったのか、他に理由があったのかの検証必要です。またSさんは、奥様の買い物はすべてSさんのクレジットカードで決済しているので、感覚がマヒしているのではないかと懸念されていました。この可能性は考えられます。カードでの買い物は便利ですが、ついつい買い過ぎてしまう傾向があります。しっかりと予算をたてて、その範囲内での使用を意識することが必要です。自信がないなら暫くはカードの使用をやめて、現金で買い物をする、1週間ごとの予算でやり繰りする等の工夫をしてみると良いと思います。子どもの成長に伴って教育費も増えます。支出のバランスについては、ご夫婦で話し合うことが重要です。
Sさんは、住宅はローンを使わず60歳で購入を予定されています。この資金の積み立て、教育資金、老後資金の準備と三つ巴の心配を抱えています。奥様は未だ30歳なので、老後資金と言われても実感がないと思います。子どもの成長は遅らせることが出来ませんので、教育資金の確保を最優先してキャッシュフロー表を作成すれば、資金計画が現実味をおびてきます。Sさんの心配も奥様と共有出来るはずです。

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