更新日: 2019.01.08 その他暮らし

資格取得の勉強の中で身につく「意外なスキル」

執筆者 : 柴沼直美

資格取得の勉強の中で身につく「意外なスキル」

資格を取得し、その資格を活かして仕事をしている方もいれば、仕事には直結しないけれど自己啓発のために勉強をしている方もいらっしゃいます。「いつまでも会社勤めをしても先が知れているし、資格でもとって独立したいのですが、資格をとることってそもそも意味があるのでしょうか?」と聞かれる方に直接的ではないけれど資格取得に向けた勉強の過程で身につく意外なスキルについてお伝えしています。
柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

 

子どもの教育や留学では無視できるのに、なぜか資格取得の勉強を断念する理由づけとして投資効率を引き合いに出す

 

資格取得に向けて学習を始める方は、具体的にいつの試験日に向けて1日に何時間勉強して合格する。それから準備期間に取得した資格を活かした仕事を経験して、2年後に独立する。といったような夢を描きます。勉強開始当初は希望にあふれていますが、資格取得に向けた勉強も、資産運用もダイエットも一朝一夕に効果が出るものではなく、理解が進まなかったり、スケジュール通りの勉強時間が確保できなかったりして学習中にはそれなりのイライラ期を経験することになります。

一度の試験で合格する場合は、そういったイライラも一瞬にして帳消しになりますが、難易度の高い試験でかつ業務上あまり馴染みのなかった分野に挑戦する場合は、何度も試験を受けることになります。そこで頭をもたげるのが「投資効率」です。「こんなことをやっても時間の無駄」「受験料の無駄」「合格しても仕事としてやっていけるかどうかわからない」といった言い訳が浮かんできます。不思議なことに、留学や子どもの教育では考えなければならない投資効率という考えを、「自分に投資する資格取得」では勉強を断念する理由づけとするケースが散見されます。

 

投資効率だけでは測れない副産物がたくさんある

 

資格取得に向けた自分への投資には、投資効率だけでは測れない副産物がたくさんあります。例えば、勉強の過程で無意識のうちに時間の使い方がうまくなります。隙間時間を上手に利用することができるようになります。合格に向けて二度三度チャレンジすることで、目標達成に向けた忍耐力・持続力や実現可能な計画を立てるスキル、セルフマネジメントも上手になります。試行錯誤の結果、効率的に理解定着できる方法を自分なりに作り上げていく企画力も身につきます。

これらのステップを経験すると、その後転職活動をする際に自分を簡潔にアピールする力や自分の適性やキャリアパスに合いそうな職業を検索する力が格段にアップすることに気づいていない方は意外に多いのです。

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