2017.10.24暮らし

プチ起業・ママ起業のうっかり脱税にご用心!

Text : 塚越 菜々子

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最近、プチ起業や女性起業、ママ起業などと呼ばれるような起業スタイルのブームが起こっており「自分らしく働き、月に10万円稼ぐ」などという謳い文句で、軽い気持ちで起業しているという状況をよく見掛けます。

一昔前は起業と言ったら一念発起し、何年も準備し取り組んだものですが、今はSNSやネット環境の発達により、会社員からの副業や専業主婦業の傍らで軽い気持ちで『起業』し、売り上げを上げていることも多いようです。

こういった場合、税制や社会保険の制度も何もわからないまま、なんとなく稼いでしまっている場合も多く、知らない間に脱税などのルール違反になっていることも少なくありません。

今回は、最近特に多くなっている「ママ起業家」が気を付けるべきポイントを考えます。

 

事業に必要な許認可

 
行おうとしている業種によっては、あらかじめ該当する機関に許認可の手続きをする必要があります。

免許が必要な酒類販売や不動産業は「知らずに行う」ということは少ないと思います。

対して「喫茶店」「菓子の製造」「パンの製造」など許可が必要な業種は、”得意を生かして” ”趣味の延長で”なんとなく始めてしまっている方も多いのではないでしょうか?

消費者としてお店をみているときは、まさか許認可が必要だと意識していないことがほとんどです。自分が営業する側になる場合は必ず確認をしておきましょう。

 

税金関係の届け出や確定申告

 
ママであれ女性であれ、仕事としてサービスを提供しお金をいただく限り個人事業主としての責任があります。

「売上はちょっとだから」「たいしてもうけがないから」何もしなくていいということではありません。事業所得として行うなら開業届などを事業開始から1か月以内に提出し、適切に記帳を行わなくてはいけません。

また、個人事業を行うなら基本的には確定申告を行う必要がありますが、例外的に「申告義務のない場合」もあります。自分がその例外に該当して確定申告を行わないのか、きちんと確認する必要があります。

わからないまま「それほどもうけもないから」「103万円もいかないから」とそもそものルールを誤解して、いわゆる”脱税”などの法律違反をしてしまっていないかも注意が必要です。

 

夫の扶養を外れないかの確認

 
パートに出ようとするときによく聞く「103万円の壁」この数字は個人事業主の場合は全く関係ないとご存知でしょうか。

いわゆる103万円の壁というのは、妻が夫の税金上の扶養に入っていられる『給与収入』の限度のことです。ママ起業の収入は『事業所得』です。給料所得とは全く考え方が違っています。

また、税金の扶養と全く別の基準を持つのが「社会保険の扶養」こちらは扶養に入っていられるかどうかのルールは、それぞれ運営機関が決めています。税金の扶養のように誰でも同じ基準なわけではないのですね。そのため、扶養に入っている妻が個人事業主になる場合はその基準をあらかじめよく確認する必要があります。

どちらも、後から扶養に入っていられないことが分かると、その時点から扶養から外れるだけではなく、前にさかのぼって扶養を外れ、追加で税金や保険料を払う必要がある場合もあります。

 

ママでも女性でもプチ起業でも、個人事業主としての自覚を持ちましょう

 
社会全体が多様化し、今までは家庭にいることが多かった幼い子を持つ母親でもいろいろな働き方が選択できるようになってきました。とても素晴らしいことだと思います。

しかし、気軽にできる分、本来のルールを知らないまま始めてしまい、無自覚のうちに法令違反をしてしまっては、いずれ大きな問題となってしまいます。

ママであっても、自分らしいプチ起業であっても、社会の一員として適切なルールを守れるように個人事業主としての自覚をもって活動していきたいですね。
 

 

Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催

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塚越 菜々子

Text:塚越 菜々子(つかごし ななこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
お金の不安を賢く手放す!/働くママのお金の教養講座/『ママスマ・マネープログラム』主催

お金を貯める努力をするのではなく『お金が貯まる仕組み』づくりのサポート。保険や金融商品の販売を一切せず、働くママの家計に特化した相談業務を行っている。「お金だけを理由に、ママが自分の夢をあきらめることのない社会」の実現に向け、難しい知識ではなく、身近なお金のことをわかりやすく解説。税理士事務所出身の経験を活かし、ママ起業家の税務や経理についても支援している。
https://mamasuma.com/