2017.10.27暮らし

「家族葬」や「自由葬」が増え、葬儀の形態も変わってきました

Text : 黒木 達也 / 監修 : 宮﨑 真紀子

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これまでの葬儀は、専門の式場で、親戚だけでなく、多くの知人が参列する形態が主流でした。通夜式と告別式を2日に分けて行い、それぞれ関係者が参列するのが、当たり前でした。最近では、こうした葬儀が減る傾向にあり、家族葬や自由葬が増えています。

「家族葬」 近親者だけで小規模に

家族葬は、家族や近親者のみで営む小規模の葬儀です。「近親者に負担をかけたくない」「ごく親しい人たちだけで、静かに送ってほしい」との意向を、生前からもっている人も増えています。実際、参列者も少ないため、遺族の精神的・体力的負担は少なくて済みます。半面、周囲の理解が得られないと「どうして声をかけてくれない!」といった不満がでることも考慮する必要があります。

家族葬にはとくに決まった形式はありません。葬儀にかかる費用は、祭壇、花代、遺影代、料理代、火葬代、関係者への人件費などで、通常の葬儀と比較すると、費用はかなり抑えることができます。実際は安いものは20万円前後から可能です。
多くの場合は、僧侶を招き仏式を簡素にした形式で営まれますが、香典、供物、供花を辞退することもあります。通夜式と告別式とを分けて実施せずに、簡略化し1回で済ませる(1日葬)方式もあります。少人数のため、参列者1人1人と故人の思い出などを語り合うことができます。小規模な家族葬を営める式場も、これまでと比べると大幅に増えてきました。

お別れの会、偲ぶ会を別途実施する

社会的に知名度の高い人や、交友関係の広い人でも、本格的な葬儀を営むとなると、家族を始め関係者の負担が大きくなるので、家族葬を望む人が多くなっています。その際は、家族葬のあとで、友人や所属していた組織などが中心となり、故人を慕う人が参加できる「お別れの会」「偲ぶ会」が行われることが一般的です。死亡の知らせを聞き、家族葬が終わった直後に弔問に訪れると、遺族の負担も増えますので、早めに会の予定を知らせることも大切です。
家族葬の場合は、多くの人に知らせることがないので、葬式後、できれば10日から2週間の間に、死亡の案内を出したいものです。故人の希望で家族葬にした旨の短い文と、お別れ会の日程を添えて関係者に送りましょう。

「自由葬」 生前から準備し特色を出す

これまでの葬儀の形式にとらわれず、自由な形で行うのが「自由葬」です。従来の仏式を残しつつも形式を大幅にアレンジしています。例えば、故人の写真や手紙を展示するメモリアルコナーを設置する、スライドやビデオを使って故人の歩んだ道を紹介する、読経はせずに故人の好きだった音楽を流し続ける、参列者全員がお別れの言葉を述べながら献花するなど、さまざまな創意が加えられています。

また仏式やキリスト教式のような宗教色をなくした「無宗教葬」では、焼香や榊にあたるものはないので、花を遺影にたむけたりします。また、故人の好きだった音楽を流すだけでなく、仲間たちが生演奏をする「音楽葬」、葬式の形をとらず火葬だけを行いその後は散骨する「自然葬」もあります。さらに、自分が元気なうちに世話になった人を招いて行う「生前葬」を行う人も出てきました。

これらの葬儀を実現するためには、生前から、周囲にその意思を伝えておくことが大切になります。とくに配偶者など身近な家族には、式の形を含め手順を書き残しておくといいでしょう。とくに「自然葬」の場合は、公正証書遺言や葬祭を実施する業者の予約などを事前に済ませておくと、遺族も助かります。

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黒木 達也

Text:黒木 達也(くろき たつや)

経済ジャーナリスト。大手新聞社出版局勤務を経て現職

 

 

宮﨑 真紀子

監修:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。