2017.10.27暮らし

実は日本学生支援機構の金利は「超低金利」

Text : 新美 昌也

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日本学生支援機構の奨学金批判の中には、誤解に基づく批判も少なくありません。そのひとつに金利が高すぎる、というものがあります。

なぜ、このような誤解が生まれるのか、実際の金利はどうなのか、お伝えします。

 

金利が高すぎる、という誤解の原因

 
返還誓約書には政令で定めた上限金利である3.0%で仮計算した返還総額が印字されています。

以前、大学教授が、学生の返還誓約書の返済総額を見て、「体調を崩して大学を辞めたいという学生の奨学金の書類を見て驚いた。月々10万円、4年間で合計480万円を借りた結果、金利は3パーセントで、最終支払額が700万円を超えている」とブログに書いていたことがありました。

日本学生支援機構の金利は貸与終了時(卒業時など)に決まり、申込み時には、将来の金利が、いくらになるのかわかりません。

ただし、上限金利が定められていて、金利3%を超えては金利をとらないしくみになっています。返還誓約書にはMAXの総返済額が暫定的に印字されているのです。このようなしくみを知らないと上記大学教授のように誤解してしまうのです。

 

実際の金利はいくらか?

 
実際の金利(利率)に関しては、日本学生支援機構のホームページに月ごとの利率が公開されています。平成19年4月以降に採用された方で3月中に貸与終了した学生の貸与利率を下記にまとめました。

なお、利率固定方式とは、返還が完了するまで、貸与終了時に決定した利率が同じものであり、利率見直し方式とは、おおむね5年ごとに利率が見直されるものです。

執筆時点での、国の教育ローンの固定金利は1.81%、三井住友銀行の教育ローンの変動金利は3.475%です。同行のフラット35(長期固定金利の住宅ローン)の金利は、1.90%(返済期間15年以上20年以内、融資率90%以下の場合)です。

これらと比較して、日本学生支援機構の奨学金の金利は、かなり低いことがわかると思います。

 

奨学金を正しく理解し、活用することが大切

 
日本学生支援機構の奨学金は金利が高いので借りないという保護者がいらっしゃいます。

ところが、実際の金利水準を伝えると、考えが変わる保護者が少なくありません。間違った情報に基づく間違った判断で、奨学金の利用をあきらめ、子どもに進学を断念させないためにも、奨学金を正しく理解しましょう。
 

 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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新美 昌也

Text:新美 昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家
計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資
金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個
別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で
実施。また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビ
や新聞、雑誌の取材にも多数協力している。
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