2017.11.16暮らし

実は便利?通帳だけで出金できる地方銀行

Text : 束野 浩

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偶数月の15日は年金の支給日、この日はご年配の方が銀行やデパートに多く見られます。

福岡市内にある都市銀行に年金を引き出に来たおばあちゃんが強い口調で「通帳だけでお金ば、おろせんと?」とATMコーナーにいた女性の行員に質問していました。

その女性行員は「印鑑はお持ちですか?」「通帳のみではATMでお引出できません」と回答、おばあちゃんを窓口まで案内していました。

福岡に出張していた私は、郵便局(ゆうちょ銀行)は通帳のみでも出金できることは知っていました。

このおばあちゃんは郵便局と勘違い?しているのではないか、通帳で預金も引き出せると思っているのでは?と感じました。

それから数年後、福岡に転勤が決まり、公共料金の支払専用口座を開設するため、福岡の地方銀行に行き、驚愕の事実を知ってしまいました。

銀行のATMのサービスが地域によって異なることを初めて知ったのです。

福岡県にある地方銀行や第二地銀では通帳出金が当たり前だった!?

 
口座開設してから数日後、キャッシャカードが書留で送付され、さっそく銀行のATMコーナーで預金を引き出すことにしました。
 
ATM画面の【預金引出】の取引ボタンを押下後、カード又は通帳を入れてくださいとの案内が出たので、持参していた預金通帳を挿入したら、
【暗証番号】4桁を入力してくださいの画面になり、カードを入れようとしても入らず、そのまま暗証番号を入力後、預金を引出しました。
 
地元出身の女子社員に通帳だけで出金できたを話したら、「知らないの?常識よ」と言われましたが、他府県出身の先輩に話を聞くと
 
 ・福岡と佐賀、長崎等の銀行は通帳での出金ができるが、大分や熊本の地方銀行ではできなかった。
 ・九州地区の一部には、通帳を持ち歩く習慣があるのではないか?
 
とのことでした。いろいろ調べると全国的には少ないですが、北部九州全域(九州地区の一部)や千葉県、三重県、広島県で通帳での出金ができる事がわかりました。
 
数年前のおばあさんが言っていた「通帳だけでお金ば、おろせんと?」の背景をようやく理解することができました。
 

預金通帳は銀行が印紙税を税務署に払っている? 

 
銀行等の預金通帳をよく見てみると、「印紙税申告納付につき××税務署承認済」が表紙の裏側に記載されている事をご存知でしょうか?
 
銀行は毎年一冊につき200円の印紙税を所轄税務署長に支払って承認を受ける必要があります。
 
例えば10万円で普通預金口座を開設しても、キャッシュカードや通帳は無料なので、これらの費用は銀行側が負担しています。
 
ICカードや生体認証機能があるカードは有料、クレジットカードや少額融資タイプ付きのカードへの切り替えを行っているところも少なくはありません。
 
一般の人は利息しか見ていないと思いますが、利息以外にも銀行は預金保険機構に保険料を支払っており、口座開設するだけでは銀行はおそらく赤字なのかもしれません。   
 

預金通帳の大きさや磁気のストライプの形状は異なっている?

 
銀行キャッシュカード、クレジットカードのサイズはISOやJIS規格によって統一されています。

最近では電子マネーカードや自動車運転免許証のサイズも一緒になりました。
 
銀行の預金通帳のサイズはすべて同じと思いがちですがそうではありません。ひと昔前では観音開きの通帳があり、通帳のサイズも若干異なっていました。
 
この十数年でNCR2000号(横開の横書き)通帳に統一されていますが、茨城県の地方銀行ではめずらしくお札サイズの通帳があり、長財布に入れるとかなり納得感(しっくりする感)があります。
 
また通帳の裏側には磁気のストライプが貼ってあり、縦横、1本、2本、四角形、カセットテープ型など、いろいろな種類のものがあります。
 
これは通帳のデータをATMや銀行窓口の機械に読み込ませる為に、当時の各コンピュータメーカが独自の規格で導入した影響が残っているそうです。
 
ATMは現金を通帳に数字の記録として変換、そして通帳の数字の記録が再び現金になる、すごい機械です。
 
今後新しい仮想通貨や電子マネー等が登場したら、どのように発展するか楽しみですね。
 
Text:束野 浩(つかの ひろし)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、ロングステイ財団登録アドバイザー。

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束野 浩

Text:束野 浩(つかの ひろし)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、ロングステイ財団登録アドバイザー。

鹿児島県出身。電機メーカに入社後、銀行の情報システム営業を経て、平成25年FPとして独立。転勤族かつ趣味の旅行が高じて、渡航歴40数回。日本全国に宿泊した経験を活かし、ロングステイに関する個別相談やセミナー講師を務めている。日本FP協会福岡支部の幹事やマンション管理組合理事長、九州ロングステイ同好会の幹事の経験を活かしつつ、年金支給開始年齢65歳時代となるまでに、定年前からどのような準備をすれば良いのか等、健康年齢までにやっておきたい事、定年後の生活レベル向上へのアドバイスなどを中心に活動中。