2017.05.26ローン

「個人型確定拠出年金(iDeC0)を始める」VS「住宅ローン繰り上げ返済」どちらを優先すべき?

Text : 内村 しづ子

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平成29年1月より加入対象者が拡大した個人型確定拠出年金(以下iDeCo)、興味を持つ人が増えていますよね。住宅ローン返済中の場合、同時にiDeCoを始めるのは得策なのか?ある意味、同じ家計からの支出と考えると、返済とiDeCo、どちらかを優先したら方が良いのか悩ましいところですね。

iDeCoと繰り上げ返済、それぞれの目的を確認しよう

<iDeCo>
老後資金を準備するための私的年金のひとつです。大きなメリットとしては、毎月の拠出(積立)金が所得控除の対象となり、所得税や住民税を減らす効果があげられます。またその人の状況に合わせて、積み立てた年金資産の持ち運び(ポータビリティ)ができる点もポイントです。例えば専業主婦(主夫)がiDeCoを利用している場合、企業型確定拠出年金(以下:企業型DC)がある企業に再就職したとき、iDeCoで積立していた年金資金を企業型DCに移すことができます。またその逆の場合も同様です。つまりiDeCoを利用することで、転職や専業主婦(主夫)期間などがあっても、途中で途切れることない老後資金の準備ができるようになりました。

<住宅ローンの繰り上げ返済>
ローン総返済額を減少させることが目的となります。返済方法には「期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、どちらもローン利息を軽減させる効果があります。期間短縮型を選択した場合は、ローン借入期間を短縮することもできて、当初予定していたより早くローン完済ができるメリットがあります。完済が早まれば、老後資金にも余裕が持てそうですね。

住宅ローンの状況確認がポイント

両方の目的を踏まえてどちらを優先すべきか見ていきましょう。住宅ローンについて、ローン契約者が定年を迎える60歳頃の返済状況はいかがでしょう?定年後に多額のローン残債があると毎月のローン返済が家計の重荷となります。いくらiDeCoで老後資金を作ってもその効果は薄れてしまいますね。この場合は定年までにローン返済の目処をつけるため、繰り上げ返済の方を優先するほうがよいでしょう。また住宅ローン控除を受けている場合も注意が必要です。iDeCoを利用することで税金の納付額が減り、控除額の上限まで還付されないケースも出てきます。

老後の資金作りを考えたとき、節税効果もあるiDeCoはまず初めに考えたい制度です。ただし、どちらを優先するかは各ご家庭の状況により変わってきます。住宅ローン返済やローン控除がどうなっているか確認してみましょう。そこを考慮すれば自然と優先順位は見えてくるでしょう。

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内村 しづ子

Text:内村 しづ子(うちむら しづこ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、
FP事務所マネーサロンキャトル代表

「働く女性が楽しい人生を送るためのお金の知識」を発信。共働き世帯の家計管理やライフプラン実現のためのセミナーや相談、執筆に注力。運営している「みらい女性倶楽部」では、個人型確定拠出年金セミナーや加入サポートを積極的に行っている。
https://m-quatre.com/