2017.09.28ローン

住宅ローンの繰り上げ返済のメリットと留意点

Text : 柴沼 直美

キーワード :


FP(ファイナンシャルプランナー)として住宅ローンに関するお問い合わせは定番です。住宅購入にあたってローンを組んだ場合、余裕資金ができたらどうしようか?余裕資金ができるぐらいなら、最初から毎月返済額をもう少し多めに見積もっておいた方がいいのではないか?など住宅ローンに関するご質問・回答をご紹介しましょう。

 

魅力的な運用先がない今、借金を早めに片づけたほうがいい

 
「余裕があれば」ですが、積極的に繰上返済はやったほうがいいです。なぜなら、昔のように定期預金に入れてほうっておいても、7%や8%の国債で回していけば資産は増えていきましたが、今は余裕資金の運用先がありませんので、それならば借金返済に回した方がいいです。

かつては、留意点として繰上返済に手数料がかかっていたので、よく考えてから、と言われていましたが、今は手数料はかかりません。今は民間銀行ならば1万円からでも繰上返済は可能です。住宅取得支援機構のフラット35では、インターネット住MyNote経由の場合は10万円から、窓口の場合は100万円からの繰上返済が可能です。

 

早いタイミングで、完済を早くするタイプがお得

 
1例として3,000万円、2%、35年でのローン契約の場合を考えてみましょう。契約後1年6カ月後に100万円の繰上返済をした場合、返済期間は35年のままでということならば、毎月返済額は99,378円から95,963円となり、返済総額は41,365,997円となります。

もし10年後に同じ100万円の繰上返済を実行すると、毎月返済額は94,931円となりますが、総返済額は41,484,767円となり、繰上返済効果は薄れてしまいます。

では月々の返済額はそのままで返済期間を短くするタイプを選択したとすると、総返済額は40,815,561円となって、繰上返済効果がより顕著に現れます。

 

始めからエンジン全開は危険

 
だからといって、ローン返済スタート当初からあまり積極的な返済プランを立てるのは禁物です。

例えば返済期間ですが、当初より短くすることは問題はありませんが、当初25年と契約していたのが、「やっぱりこのスケジュールでは滞りなく返済するのは難しい」となって35年に延ばしてもらおうと思っても審査はまず通らないと思った方がいいでしょう。

35歳で契約締結して、60歳定年だから25年ローンなどと考えずに、余裕をもった状態での返済で、繰上返済を適用するのが常套手段です。

ファイナンシャルフィールドの最新記事を
毎日お届けします

柴沼 直美

Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表

大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com