2017.11.08ローン

奨学金のプロ「スカラシップ・アドバイザー」って知ってる?

Text : 宮﨑 真紀子

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奨学金制度に関わる「スカラシップ・アドバイザー」と呼ばれる専門家が誕生しました。

これは、日本学生支援機構が認定するもので、全国の高校に派遣され、学生や保護者に対して奨学金制度や進学・卒業後の資金計画についての説明等を担当します。

制度が始まった背景には、奨学金制度が今年度から変わったこと、それに加えて制度が抱える問題点があります。

 

奨学金を借りることは、計画的に返すことが前提

 
国の奨学金制度は2017年度に大きく変わり、返済不要の「給付型」が新設されました。

諸条件はありますが、返済しなくて良い奨学金の登場は、進学の道の助けになると思います。

従来の「貸与型」奨学金については、これまでと同じ“第一種奨学金(無利息)”“第二種奨学金(利息付)”に分類されていますが、“第一種奨学金”に限り返還(奨学金の場合、返済ではなく「返還」と呼びます)の方式に、従来の「定額返還方式」に「所得連動返還方式」が加わりました。

また、返還が困難になった場合の減額制度は、これまでは当初の割賦金額を1/2に減額していましたが、1/3に減額する制度が加わりました。

教育ローンは保護者が返済を行いますが、奨学金は卒業後、学生本人が返還するものです。これまでの問題点としては、借り過ぎにより、返還が困難になるケースが多数みられました。

入学の時点では、思いのほか支出がかさみます。「借りられるだけ借りておこう。ゆっくり返したらよい。就職したら、何とかなるだろう。」と必要以上の貸与を受けてしまうのです。貸与を受けた時点では、就職後の状況は計りかねますが、返還について意識することは重要です。

第一種奨学金(無利息)で月額3万円の貸与を受けた場合、3×12か月×4年間=144万円を、卒業した年の10月から156回(13年間)、毎月9,230円(最終月は9,350円)で返還します。

事情によっては、新卒で正社員になれなかったり、返還期間の間に転職してお給料が下がる場合もあります。毎月の返還が負担にならないよう、返還金額や返還方法を計画したいところです。途中で返還が困難になった場合は、減額制度もありますし、逆に余裕があれば、繰り上げ返済することも出来ます。

 

奨学金をきっかけに金融リテラシーを向上

 
日本では長い間、金銭教育がされてきませんでした。

しかし、昨今は「金融リテラシーを高めましょう」と教育現場でも取り組みが始まっています。

今回、FP資格を持ったスカラシップ・アドバイザーが高校に派遣されることで、「お金」の使い方について興味を持ってもらうきっかけになると思います。キャッシュフローを考えることが出来れば、奨学金の返還だけでなく、夢のあるライフプラン作りにも役立つ筈です。

宣伝になりますが、FP協会のキャッチコピーは「ひとりひとりの夢をかたちに」。そうなって欲しいと思います。
 

 
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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宮﨑 真紀子

Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。