2017.03.31年金

厚生年金保険料はなぜ上がるのでしょう? 負担感は年々重くなります

Text : 中嶋 正広

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厚生年金は国民年金と異なり、保険料は会社や役所が半分を負担し、年金加入者と折半する仕組みになっています。国民年金が保険料を、自分で納付するのに対して、会社などが納める仕組みです。そのため、企業などが不正を行い保険料納めない場合を除き、加入者が納付について心配する必要はありません。

年金保険料はどう決まるか

毎月支払う厚生年金保険料は、会社などに就職し厚生年金に加入したときから始まります。
確定した給与額をもとに「厚生年金保険料額表」を参照し額を決定します。この決められた額を「標準報酬月額」といいます。これは、単に月の給与額だけではなく、通勤手当や残業代などを含めた1月分の収入といえます。通勤手当や残業代が多い人ほど、支払う保険料も高くなります。
保険料は、家族の中に専業主婦など国民年金の「第3号被保険者」を扶養している場合でも、高くなることはありません。ここで決められた「標準報酬月額」のうち、会社などが半額分を負担し、個人分を天引きした分と合わせて、日本年金機構に納入します。
一度決めた標準報酬月額は次年度まで変わりません。毎月の保険料は、4月から6月までの支払われた給与をもとに計算されます。この期間に、たまたま残業が多かった人の標準報酬月額は高くなります。これをもとに、9月から1年間の金額が確定します(実際の天引きは10月の給与から)。

高齢化で上がる保険料

少子高齢化といわれて長い時間が経ちますが、厚生年金も年々受給者が増えています。そのため、財源を少しでも確保する必要上、毎年支払う保険料も上がってきています。標準報酬月額に対する負担率も、2010年には8・029%だったものが、2016年には9・091%になっており、今後とも増える傾向です。ただし、標準報酬月額が63万円を超える人であっても、63万円が標準報酬月額の上限と認定され、それ以上の金額については保険料がかかりません。
通常の給与だけでなく、賞与(ボーナス)に対しても保険料はかかります。賞与については「年金保険料額表」を当てはめず、支給額に保険料率を掛けて計算します。賞与の場合も月当たり150万円を超えた分については、150万円と見なしての税額が適用されます。「年俸制」の人は、この63万円と150万円の上限を上手く使うことで、保険料の納付を抑えることもできます。

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中嶋 正広

Text:中嶋 正広(なかじま まさひろ)

社会保険労務士