2016.12.13税金

振り込め詐欺に遭ってしまった。盗難被害と同様に雑損控除の対象になりますか?

Text : 佐々木 節 / 監修 : 金子 正美

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自然災害や盗難などにより、日常生活に欠かせない資産に損害を受けてしまった人のため、税の負担を軽減してくれるのが雑損控除です。これは納税者本人だけでなく、親や子どもなど、生計を一にする人の資産も含まれ、確定申告をすれば一定の所得控除を受けることができます。では、最近社会問題にもなっている振り込め詐欺ですが、もし自分の年老いた親がその被害に遭ってしまったような時は雑損控除を受けられるのでしょうか?

振り込め詐欺は盗難や横領とは別のもの!

雑損控除として申告できる被害には大きく分けると下の図表のような5つのタイプがあります。ひとつは地震や台風、水害、雪害、落雷などの自然災害。ふたつめは火災や爆発などの人為災害。3つめはシロアリの住宅被害など生物による災害。そして、残りのふたつが盗難と横領です。
では、振り込め詐欺はどうなるかと言うと、盗難でもないし、横領でもありません。つまりは雑損控除の対象にはならないのです。
その理由は、自然災害や盗難、横領は「自分の意思を伴わないものである」であるのに対して、詐欺については「自分の意思に基づいて現金を支出し、損失を被っている」という司法の判断があるからです。お年寄りが騙され、大切なお金を奪われているのに……と思うでしょうが、これは仕方ありません。

雑損控除として申告できる被害の原因

雑損控除の簡単な計算方法

一方、同居している子どもの所有するクルマの盗難が遭ったというようなケースでは、雑損控除が申請できます。たとえば課税所得500万円の人でクルマの時価が100万円だったすると、雑損控除額は100万円−(500万円×10%)で計算され、50万円ということになります。この場合、本人の所得税率が20%であれば10万円が還付されることになります。雑損控除を申請するには、当然ながら確定申告はしなければならないので、会社勤めの人などは、その手間や時間と戻ってくる税金の額をよく検討してみるといいでしょう。

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佐々木 節

Text:佐々木 節(ささき たかし)

エディター&ライター(編集製作会社 スタジオF主催)

出版社を経て現職。学研「大人のバイク旅」編集長。旅、ライフスタイルを中心に活躍中

 

 

金子 正美

監修:金子 正美(かねこ まさみ)

税理士(金子正美税理士事務所)