2016.12.16税金

株で大損してしまった。 確定申告すれば所得税は戻ってくる?

Text : 佐々木 節 / 監修 : 金子 正美

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会社勤めのサラリーマンの中にも、上場株などに投資している方は多いと思います。このとき、一般的なNISA口座や源泉徴収あり特定口座で取引をしている人は、利益が出ても確定申告をする必要はありません。一方、反対に大きな損失がでてしまった時はどうかというと、これも残念ながら給与所得から株の損失分を控除することはできないのです。ただし翌年以降、株で利益が出た時の税負担を軽減することは可能です。それが確定申告の繰り越し控除なのです。

上場株の損失は3年間繰り越すことができる。

確定申告の繰越損失というのは、株や投資信託の損失を翌年以降、3年間にわたって繰り越すことができる仕組みです。損失を繰り越すというのは、ちょっと分かりづらい表現ですので、下の図表を見てください。
ある年に株で100万円の損失が出たとします。このとき確定申告をしておけば、次の年に30万円の利益が出たとしても、前年の損失100万のうち30万を通算し税金は支払わなくて済み、翌年に70万を繰越します。さらに2年目、3年目にまた30万円ずつの利益が出たとしても同様です。それぞれ30万円の損失、10万円の損失として通算されますので、税金を支払う必要はなくなるのです。ちなみに株の譲渡益に対する税率は20.315%です。30万円の利益に対しては約6万円の税金がかかりますので、3年間で18万円あまりの節税なります。

繰り越し控除の仕組み

株や投資信託で損をしたら必ず確定申告を!

このほか、2社以上の証券会社で株式投資などをしている時、1社で利益、もう1社で損失が出たような場合はそれぞれのプラスとマイナスを相殺することもできます。これを損益通算といいます。
たとえばA社の投資信託では50万円の配当を得たが、B社の株投資で40万円の損失が出てしまった。そんな時は確定申告で損益通算を申請すれば、50万円−40万円=10万円の利益と計算されます。利益が50万円なら税金は約10万円ですが、利益が10万円なら税金は約2万円となるので、約8万円の税金が節約できます。
ふだんは確定申告の必要がない会社員でも、株などで損をした時は忘れずに申告をしておくといいでしょう。

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佐々木 節

Text:佐々木 節(ささき たかし)

エディター&ライター(編集製作会社 スタジオF主催)

出版社を経て現職。学研「大人のバイク旅」編集長。旅、ライフスタイルを中心に活躍中

 

 

金子 正美

監修:金子 正美(かねこ まさみ)

税理士(金子正美税理士事務所)