最終更新日: 2019.01.08 公開日: 2017.06.07
資産運用

新興国株や新興国債券への投資は、ハイリスク・ハイリターンなのか?

執筆者 : 柴沼直美

「株はハイリスク・ハイリターンだからちょっとねぇ。」という声をよく耳にします。では、これが国内株ではなく、外国株式、とくに新興国となればどうでしょうか?ハイリスク、ハイリターンの度合いが一層強く特徴づけられると思われますが、これはどうしてでしょうか?今日はそこから考えたいと思います。
 
柴沼直美

Text:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

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柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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リスクとリターンについて

よく投資の指標として「リスク・リターン」という単語が登場しますが、その言葉の意味について復習しておきましょう。以前にもご紹介したかと思いますが、リターンというのは文字通り「収益」のことです。元手を100万円用意して、それが105万円になった場合、5%のリターンが獲得できたといいます。これに対してリスクというのは、一般には「危険」という意味で使われますが「価額の振れ幅」という意味で使われますが。ですから、ハイリスクというのは、収益が獲得できるチャンスも大きいかわりに、損失を被る可能性も大きいという意味になります。

ではどうして、ハイリスク≒ハイリターンとなるのでしょうか。それは取引に参加する集団が多いか少ないかによります。例えば国債ですが、ローリスク・ローリターンの代表というのは、政府をはじめ企業から個人までさまざまな人が取引に参加します。取引に参加する主体が多くなればなるほど、いろいろな思惑で参加しますから、「短期で収益を上げたい」と思う人や「長期でじっくり」などゴールも時間軸も違うので、購入したいタイミングや売却したいタイミングがそれぞれ違ってきますので、国債全体の値動きも穏やかになります。これに対して、株式・とくに新興国株式はまだまだ市場全体も発展途上ですし、参加者数自体、あるいは参加者のプロフィールもそれほどバラエティに富んでいるわけではありません。ですから、一方向に動きやすくなります。例えば、「南アフリカの景気がよくなると思うから、南アの株式を購入する」という考えの人は純粋にそのゴールに向かって一斉に買いが集中します。「○○という国の株式が下がったときの受け皿として」という目的で購入する人はほとんどいないでしょう。したがって、買いが集中するときは鋭角的に上昇しますが、逆に「上昇する見込みが立たないから売却する」と思ったときには、参加者ほぼ全員が同じ目的で売りに走るので、違った思惑で売りを吸収してくれる主体がいません。結果として、急落になります。

図_資産運用6

情報量の違い

前述した内容に加えて、情報量が圧倒的に違います。新聞やテレビのニュースを見てみましょう。国内はもとより先進国に関するニュースと、新興国に関するニュースの量はどのくらい違うでしょうか。同じ海外でも先進国のニュースはほぼリアルタイムで私たちの耳に届きますが、新興国のニュースは概要だけで詳細に関してはわからないままということが多いですね。投資の判断をする材料の少なさも値動きに対しての準備ができません。そういった情報量の違いからくる不安≒リスクも大きいかと思います。

最低限、ある程度の経験と、その国に馴染みがあることが前提

したがって、どうしても新興国株式に投資をしたい場合は、限られた情報と限られた流動性(市場関係者)という制約がありますから、売り買いをある程度経験したことと、その国(地域)に馴染みがあることは大前提です。「なんとなく」という感じで初めて、大きく元本を棄損した場合でも、最終的な責任は決断をした皆さんに帰属するのです。



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