最終更新日:2019.01.08 公開日:2017.07.26
資産運用

〈柴沼投資塾〉少額インデクス投資入門⑤。インデクス投資でも知っておきたいウエイトづけ「日本株VS.米国株」

最近、クライアントと話をしていると、米国株は上がりすぎでチャートを見ると今更手を出すのは怖い、高値掴みだから、という声を聞く一方で、「だからといって日本株はどうなっているの?方向性の決めてがわからない」ということも聞かれます。確かに最近、新聞紙面をにぎわしているのは、テロ関連や北朝鮮、最近では英国の選挙で予想外の結果が出たといった、政治的な話ばかりですよね。そんなときでも相場は動きます。こういう時は何を手掛かりにして、ウエイト付けを考えればいいのでしょうか。
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com

詳細はこちら
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
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最終的に金融商品の価額を決定するのは「稼ぐ力」

まず冷静に考えていただきたいのは、金融市場が動いているときの根拠にあるのは、数字で測ることのできない「憶測」ではなく、具体的な「数値の指標」であるということです。どうしてもストーリー性があって目立つニュースにフォーカスされるので、どのように判断すればいいか見失ってしまいますが、価額の根拠は「稼ぐ力=利益がいくらか?」「利益の何倍の評価を受けているのか?」という数字です。

例えば代表的なインデクス、日経平均と米国のS&P500で考えたときに、機関投資家はどのようにウエイト付けをしているかというと、当然割安に評価されているほうに資金を振り分けて上昇の機会をとらえようとします。その時の指標は、「利益の何倍までなら投資をしてもいいか」という株価収益率(PER=Price Earnings Ratio株価÷利益で計算した数値)になります。2017年6月9日時点、日経平均は採用銘柄の稼ぐ力は、集計された年度決算によれば、1,400円という結果が出ています。ちなみにこの数値は新聞の経済欄で確認することもできます。現在推移している19,600円の日経平均に当てはめて、1,400円の利益で割ると14倍となります。アベノミクス相場がスタートして以来の平均株価収益率(PER)は15.7倍です。1,400円×15.7=21,980円となりますから、この水準までは上昇してもおかしくないということから現在の日経平均株価は割安となります。では、米国はどうかというと、18倍。日本国内でも割安、国際比較しても割安、ということでどう判断してもまだ上昇余地があることになります。

日本株は割安のまま?それともこれから上がるの?上がるとしたらどうして?

ただし、割安のまま放置されるケース(すなわち割安のままなのはちゃんとした理由があると判断されるケース)もあるので、今回はそのケースに該当するかどうかチェックしてみましょう。割安、すなわち人気がない、上昇余地がないのでしょうか?答えはNOです。

1つめの理由はよく新聞等で報道されていますが、設備投資が増加しているからです。きっかけは、人手不足。ヤマト運輸や佐川急便などでの人手不足の話は何度も報道されていますが、物流業界だけではなく、全体的に少子高齢化からくる人手不足感は簡単に解消されません。各社、ロボットにまかせられるところはロボットにということでAI(人工知能)、IoT(インターネット・オブ・シングス:あらゆるものをインターネットにつないで効率的に運営すること)投資ということが話題に上がっています。事実9年ぶりに設備投資額が上向いているという指標も発表されています。設備投資は、GDPの20%を占めています。設備投資を請け負う企業側(製造業)にとっては、売上増により利益も増加することが見込まれますし、設備投資を発注する側(非製造業)にとっても、発注当初はコスト増となりますが、やがて生産性向上により利益増につながると予想されます。

2つめはコーポレートガバナンスの透明化向上。これまで企業内で権限があいまいだった「相談役」や「顧問」について、政府は証券取引所を通じて開示するルールづくりに乗り出すことを2017年5月30日、「未来投資会議」での議事要旨で明らかにしました。企業経営はいったいどうなっているのかよくわからない、といった点が問題視され欧米に後れを取っていました。そのために日本株投資に積極的になれなかった海外投資家の買いが期待できます。

これは政府の指針ですが、企業側からも稼ぐ力を向上させるための取り組みが発表されています。自社株買いやM&Aなどもその例ですが、これについては別の機会に改めて詳しく触れたいと思います。

米国株は割高?どうなるの?

これに対して、米国株は利益の18倍と、妥当な水準まで上昇していますから、ここからさらに上を狙うためには、利益水準そのものが上昇しなければなりません。前述のように、株価=利益×株価収益率(PER)で妥当な水準が決まっており、この利益が伸びないのに株価が上昇するというのは、PERが18倍ではなくて、20、30倍と上昇したからです。かつてのITバブルのときはPERが50倍を上回る水準まで買われていました。

私たちはすでに、ITバブルを経験し、当時は「ITによって生産性が上昇するので50倍まで買っても大丈夫。そこまで株価は上昇する」と浮かれるようなことはしません。ということは、利益上昇の根拠が見つからなければ、米国株は当面は上値が重いということになります。

もちろんそこで、時間軸を伸ばして長期投資という観点で考えれば米国経済の成長余地が圧倒的に大きいことは議論の余地はありませんが、2年、3年寝かしておくつもりであればそのまま、そうでなくて目先6カ月先をゴールとして考えるのであれば前回お話したリバランス(米国株のウエイトを削って日本株に乗せる)を考えるのもいいでしょう。もっとも、自動的に常に米国株:日本株=50:50と言う風に設定していれば、米国株の上昇分だけ削ることになっているでしょう。

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