最終更新日:2019.01.08 公開日:2017.07.31
資産運用

〈柴沼投資塾〉時事ネタ編⑦ いよいよ膠着相場、卒業だが…日本株の上げに乗るなら要注意!

ここ何回か、相場が膠着状態であるとお伝えしてきました。その理由は、株式相場を動かす為替相場の動きが見えないから。さらにその理由は、為替相場を動かす要因がはっきりしなかったから、ということでした。つまり、為替が動かないと、どちらにも動き辛いのです。資産運用について積極的に取り組むためには相場に動きがないと、損失を被る心配もありませんが収益を獲得できる機会もありません。この膠着感は政治的な不透明感と米国の金融当局(FRB)が経済成長に自信を持てなかったからというのが理由でしたが、いよいよ金利差の拡大に伴って金利の高い方へと通貨が選好されるという理論が当てはまる時が到来しそうです。そのきっかけは何でしょうか?そう思う理由は何でしょうか?以下確認していきたいと思います。
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com

詳細はこちら
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
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主要先進国の金融政策を整理する

最大の理由は相場を動かすドライバーである金融政策が本格的に動いたことです。これまでは、米国1か国のみが、金融正常化に向けて舵をとっていました。しかし、欧州、英国銀行、カナダ銀行の方針がそろってタカ派姿勢を打ち出したことが最大のきっかけでした。6月27日に特に注目すべきなのは、従来であれば市場のほうから量的緩和の終わりを示唆するような動きが見られた場合でも、その動きを沈静化する発言を繰り返していたECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁による発言内容に変化が見られたことです。「ユーロ圏の回復が強まり拡大していることを示すあらゆる兆候がある。デフレ圧力はリフレ圧力にとってかわられた。」といった2点に要約されることは、景気やインフレ見通しについて今までになく楽観的になったことを示唆します。裏事情として各国中央銀行は、国債発行残高の33%までという保有上限の規定があり、その上限に近づいていることもありますが、実体経済の回復があるからこその発言でしょう。

日本以外はバブル防止に向けた手当を開始

2つめは、米国が利上げを示唆するだけではなく、バランスシートの圧縮へ向けて本格的に動き出したことです。2008年のリーマンショック以降、国債、不動産担保証券、政府機関債の買い入れを続けてきました。2010年には新たな買い入れの中止を決定し、既存の資産の再投資という方法に転換しました。2017年7月現在のFRB保有の債券保有残高は、4.5兆ドルですが、4年かけてこれを半減させるというようなイメージです。

ではなぜこのタイミングで主要先進国の中央銀行は、バランスシートの圧縮に動き出したのかということですが、バブルの発生を未然に防ぐことが急務であると感じたからだと言えます。市場に必要以上にマネーが供給されれば、本来つくはずのない価格がつきます。

皆さんがまとまって100万円をもらったとして使う予定がなければどうしますか?「投資する」ということを考えますよね。あまり魅力的な投資先が見つからない場合でも、「現金で持っておくと使ってしまうから、とりあえず、○○に投資しておこう。新聞でも、収益がとれると書いてあったし」という感じで安易にどこかにあずけたりしませんか。そういった資産効果で、本来評価される以上の評価がついてしまうのです。これがバブルです。「ここに投資しておけばいつかは価額が上昇して儲かるから」という根拠なき理由です。バブルの収束には長い月日がかかることがこれまでの経験からわかっているので、各国は2度と同じ轍を踏まないようになっているのだと思います。

日本株の上げに乗るには降時を考える必要あり

これに対して、日本では今も市場に資金を供給し続けています。前場(取引午前中)に日経平均が下がると必ずと言っていいほど、後場には日銀によるETF買いによって支えられています。国という大きな買い手が存在するので、安心して日本株を買うことができると外国人投資家はコメントしています。

本当に健全に株価が形成されていると言えるのでしょうか。本来株価は企業が稼ぐ力(EPS:一株利益)と、市場の期待値(PER:株価収益率)の掛け算で形成されています。だからこそ市場参加者による活発な売買が行われ相場が健全に成長していき、マネーの流入がおこります。しかし、「国という完璧な買い手が日本株市場にはあるから安心」ということで利益成長とは無関係に株価が支えられ、さらに他の主要先進国がこぞって金融正常化に向けてアクションをとるとなると、円はドルやユーロに対して弱くなります(円安ドル高ユーロ高)。米国やユーロの金利が高くなり米ドルが選好されるためにドル高になります。

日本の上場企業の7割は輸出主導銘柄で構成されていますから、円安は日本株の上昇要因になります。「円安になるから企業収益が増加し、株が上昇することが予想できる。しかも下がれば日銀が支えてくれるのだから、日本株は買えば『確実に』儲かる」というのは、危険です。バブルがはじける準備をしていないのは日本だけなのです。いつでも降り時を意識しておく必要がありそうです。

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