最終更新日: 2019.01.08 公開日: 2017.08.17
資産運用

〈柴沼投資塾〉少額インデクス投資入門⑦。バリューVSグロース投資

執筆者 : 柴沼直美

インデクス投資は、日経平均株価やダウ工業株30種平均といった指数への連動を目指すファンドのことで、指数を上回る値動きを目指す「アクティブファンド」に比べて人気の商品です。こちらでも何度か取り上げましたが、指数と同じ値動きをするので「分かりやすい」という点と、「信託報酬が安い」というメリットが注目されていますが、最近は、特に信託報酬の安さでETFに人気が集中しています。(ETFもインデクス投資と同じように分散投資の商品と解釈していただいて構いませんが、あえて言うなら、インデクスは500円からの積み立てが可能ですが、ETFは1万円~数万円が必要です。インデクスは1日1回しか売買できませんが、ETFは上場されているので普通の株式と同様に何度でも売り買いができるという違いがあります)。今回は、代表的なスタイル別投資手法として、特にETFを中心に注目されているバリューVSグロースという切り口で投資手法について考えてみましょう。
 
柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

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柴沼直美

執筆者:

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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グロースは初心者、バリュー投資は経験者向き

 

グロースは「市場平均より高い利益成長(グロース)が見込まれるものに投資する」手法、バリューは「本来あるべき評価よりも割安に放置されているものに投資する」手法です。このことから、グロースの場合は、PER(株価収益率:株価÷一株利益で平均14倍~16倍)といった投資指標からはずれていたとしても、大きな利益成長が見込まれると予測されれば買いを進めます。グロース手法の場合は、上昇勢いがある投資対象を買うので、買った翌日から収益が獲得できる場合が多く、相場の流れに何となくついていっておこぼれにあずかるといったことができますから、初心者向けの投資手法であると言えるでしょう。

一方、バリューは本来評価されるべき価値に比べて割安に取引されているものを集めて投資します。評価されるべき価値というのは、企業が生み出す収益力というイメージです。したがって相場の流れに翻弄されない投資手法と理解していいと思います。言い方をかえると、グロース型に比べて比較的安定した投資効果が期待できます。

しかし、「企業が本来生み出すべき収益力」というのは、企業のおかれた業界の中での地位や企業独自の製品開発力・収益性などを理解していなければ見極めることができませんから、かなりの経験が必要になると思います。「バリューファンド」だから、ファンドに組み込まれている銘柄を選択するファンドマネジャーとは違うので、関係ないと思われるかもしれませんが、価格形成の仕組みをまったく理解しないで投資をするのは避けた方がよいでしょう。なぜなら、再三お伝えしている通り、自分でよく理解できていないものを買っても売り時がわからないからです。投資は、買い時以上に実は売り時(降り時)を見極める方が難しいと思います。自分なりに納得した理由で売らなければ、「やらないほうがよかった」ということになります。

 

バリューファンドの選び方

 
そうは言っても、やはりバリューファンドに投資してみたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。数字的な目安をここでご紹介します。

一番わかりやすいのはPBR(プライス・トゥ・ブックバリュー・レシオ:株価純資産倍率)です。一株あたりの借金ではない資産は公開されているので、株価で資産を割ります。そうして求められた値が1.0を下回っていれば、割安(バリュー)と言われます。これはファンドとしても公開されているはずなので、確認できます。ただ個別株の場合と違ってファンドの場合1.0を下回っているものばかりを集めると成り立ちません。というのは多くの個人投資家から集めた資金でまとまった投資対象に投資するため、流動性(売りたいときに自分の保有資産の価値を下げずに売ることができるか)を確保する必要があります。そのため、ニッチなオタク株ではなくメジャーどころの銘柄にある程度偏ってしまいます。ただその場合でも、グロースファンドや指数全体よりもPBRは低い数値としてデータが掲載されていなければバリューファンドとはいい難いです。

 

次にPER(株価収益率:株価÷一株利益で求められ、株価が利益の何倍まで買われているのかを示す指標です。一般的なTOPIXや日経225、NYダウといった指数では14~18倍、それ以上の数値が出ていれば、「よほど(買われる)特殊事情があったとしても」買われすぎサインと考えます。これに比べてバリューファンドであれば当然「割安に市場で放置されている」と思われるものを専門家が集めて投資していることからこの数値以下であるべきです。

この2つの指標がクリアされて、なおかつ過去の値動きを確認してからファンドの購入を決定しましょう。

 

バリューファンドを保有したら

 
さてバリューファンドは、ご紹介した通りグロースファンドと違って、経験や投資家の信念が求められます。グロースファンドは相場全体の勢いとかトレンドに乗って!というのが大事ですが、バリューファンドは相場全体の強弱ではなく、あくまでも「その会社が本来評価されるべき価値より割安なまま放置されている」と思われる投資対象を集めるので、相場の上げ下げには過敏にトレードしません。「バリューファンド=割安=上がる」と言った短絡的な考えで投資をするのは適切ではないということを確認しておきましょう。「経済環境がよさそうだから、相場が上がりそう」と思ってその勢いについていくということを「順張り」と言いますが、順張りが当てはまらないことが起こったときに、どうしてグロースファンドではなくバリューファンドを選択したのかが自分で納得できることが大切です。



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