更新日: 2019.01.10 その他資産運用

米国の金利上昇環境下でのドル安円高…為替が思惑どおりに動かない中で、投資をすでに始めてしまったら

執筆者 : 柴沼直美

米国の金利上昇環境下でのドル安円高…為替が思惑どおりに動かない中で、投資をすでに始めてしまったら
年初から、米国の金利上昇環境下でのドル安円高の進行と米株の下げ。
 
すべてがセオリーと逆の動きのようなケースで、戸惑いを口にする人も多くいました。この想定外の中で、投資をすでに始めてしまった場合、どうすべきでしょうか。

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柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

不安になると換金したくなるが

まず口にされるのが「やっぱり不安だから、投資はやめたほうがいい」という後ろ向きな意見。それはそうかもしれませんが、せっかく始めたのであれば撤退する前に、そもそもどうして投資をはじめたのか? 
 
そして、今なぜ思惑と違った動きをするのか? をはっきりさせましょう。
 

政治的要因は相場を大きくかく乱するが、長期的な相場の牽引役は経済見通し

今回は、米国の景気がいい状態であるのに、減税や公共投資を遂行することによる財政悪化懸念からくる、投資家の米国債からの逃避と金融当局による緩和政策の打ち止めからくる、米国債買いボリュームの縮小。
 
従来のように積極的な公共投資をして債券を発行しても、金融当局が発行債券を引き受けてくれていれば、長期金利上昇とドル安円高という妙な動きは起こらなかったのです。
 
いったんこのようなセオリーと逆の動きが始まると、投機筋が利益獲得の機会ととらえ、そのトレンドを意図的に加速させていきましたが、そのあと押しとなったのが米中を中心とした貿易紛争やシリア・北朝鮮に絡む地政学リスクです。結果的にリスクオフの円買いが進行しました。
 

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投資の目的は「お金を育てること」を確認

そもそも、投資をはじめようと思った目的は「お金を育てる」ことのはずです。仮に、想定外の投資環境が起こったときに安易に換金、解約とした場合、そのお金をどこにおきますか? 
 
今回、かく乱要因を投機筋が利用して逆向きトレンドが大きく誇張されましたが、4月10日の習近平氏の発言で貿易紛争が収束を見たことが1つのきっかけとなり、本来の金利差ベースの為替市場に戻っています。
 
このように、かく乱要因による相場の乱高下は、大きく報道されることもあって市場の目がそちらに奪われがちです。そんな時こそ原点回帰。
 
「なぜ投資をしようとしたのか=長期でお金を育てるから=長期的な相場のけん引役は金利・経済成長率である」という点を確認しましょう。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表