2018.10.03 資産運用

米国の一人勝ちというのはあり得ない?日々、変化する環境化での投資をどのように考えるべきか

執筆者 : 柴沼直美

今年に入ってからの金融市場は世界的に以前までの「横並び一斉の金融緩和」を卒業して米国に見られるように、徐々に政策金利を引き上げる状況に入っていきました。一方、政情不安定な新興国ではベネズエラでのデノミが実施されるなどまだら模様です。
 
このような環境下での投資をどのように考えればいいのでしょうか。
 

米国の一人勝ちというのはあり得ない?

まず米国株式ですが、今年の初旬には若干不安定な動きを見せ、米中を中心とした貿易紛争や11月6日の大統領選挙を控えて方向感がつかめないとはいえ、堅調なファンダメンタルズを追い風に上昇を続けています。
 
クライアントの中には、「米国の一人勝ちには限界がある」とか「チャートで見れば十分上昇しているので今さら投資しても遅い『ような気がする』」という声をあげられる方も多くいらっしゃいます。
 

「一人勝ちはあり得ない」の根拠を探る

まず一つ目の「米国の一人勝ちはあり得ない」というコメントですが、確かに今はモノやサービスのグローバル化が当たり前になっている今、米国だけが勝ち残るというのは考えにくいといえます。
 
しかし、それば国全体のマクロでの話です。株式は、銘柄すなわち「企業」の業績伸長率に着目しますので、国全体の景気動向もさることながら、企業の持つ強み、企業が扱うモノやサービスの市場占有率やその市場の動向により注目しなければなりません。
 
例えば、P&G(プロクター&ギャンブル)は世界展開していますが、扱う商品は洗剤やおむつ、シャンプーなど景気の良しあしにかかわらず必要になります。この市場でシェアを拡大し、高機能商品を導入していけば業績伸長が継続することは可能です。マクロとミクロを分けて考える必要があります。
 

チャートの形は時間軸の取り方でかわる

NYダウ指数のチャートで、「もう十分上がった」というのは何をもっていうのか。ほとんどの場合は、チャートを見ていっているのでしょう。これは時間軸の取り方でどうにでもかわる万華鏡のようなものです。
 
現時点では、今にも急落が始まりそうな「高所恐怖症」のチャートに見えたり、傾斜も緩やかで「安定的に徐々に上昇している」という印象を受けたり。例えば、リーマンショックが起こった2008年9月を起点に見てみると、下がったあと「順調に上昇している」という風にもとらえることができます。
 
ですから、1つのチャートだけを見て、「もう終わり」とか「十分下がった」といった安易な判断は危険です。最終的な投資判断は、チャートを参考にしつつも、長期ではマクロ環境をベースにしたその企業の収益性調整、財務健全性を総合的に確認して決めるべきです。
 
命の次に大事なお金の投資先を安易に決めてマイナスになっても損失を被るのはほかならぬ自分自身です。このような方向感が定まらない時こそ納得した投資先を選びましょう。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者

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柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com