2018.12.25 資産運用

サンタラリーはどこへ行った?株価急落でのこれから

執筆者 : 柴沼直美

年末ラリーというアノマリーが崩れ、大幅下落が続く2018年末ですが、2019年には徐々にその不安は払拭されていくことが予想されるものの、この年末の下落を取り戻すというよりは、鈍い動きを覚悟する必要があります。
 
そんな時こそ、種は機械的に少しずつ投資する時間分散ルールを死守することが大切です。
 

いつものように下げ局面では原因を究明

いつも、お伝えしているように、大幅な下げ局面、下げが続いている場合、当初の見通しと違った動きをした場合には必ず、「どうしてそうなったか」という原因をはっきりさせることが大事です。
 
では今回はなぜこうなっているか、ですが、以前にもお伝えしましたが、3つの障害、すなわち(1)米中貿易紛争、(2)欧州と中国での景気減速懸念、(3)米国での逆イールドのうち、(1)の状況が当初想定以上に深刻でセンシティブな問題になっていることがあります。
 
12月初旬に米中首脳会談が実施され、米国側から対中関税引き上げについて90日間の猶予が与えられたということで、収束に向かうのではという期待が浮上しましたが、実はこの90日間というのが次への新たな火種へつながる可能性を秘めているのです。
 

90日間の猶予期間が実は要注意ポイント

12月1日の声明では、当初の「2019年1月1日から制裁関税の税率を10%から25%へと引き上げる」という決定を暫定的に保留する緩和化されました。ただし、強制的な技術移転、知的財産権の保護、非関税障壁、サイバー攻撃、サービス・農業の5分野の構造改革について交渉を直ちに開始すること、90日以内に交渉が合意に達すること、という条件が提示されました。
 
米国は、中国による知的財産の盗用について非常に神経質になっています。加えて製造業で強化を目指す「中国製造2025」に注目しています。「モノ」の貿易不均衡是正であれば、妥協点を探るのはそれほど難しいことではないでしょう。
 
しかし、米国が懸念しているのは、米国からの技術流出などを通じて中国の先端技術が米国を追い越し、ひいては、『米国の軍事的優位を脅かす』恐れについてです。知的所有権侵害問題で中国からの譲歩を引き出すことができなけなければ、もはや貿易紛争ではなく、政治的・軍事的問題に争点がシフトしますから、その行方に関して我々の予測は不可能になると言わざるをえません。
 

不透明感払拭の先が見えづらいときは機械的な時間分散

このような状況で、不安定な相場が続くとすれば、不透明感払拭の先が見えづらいですが、譲歩案、妥協案が合意に至れば、大幅に上昇することも十分想定できます。こんな時でも投資家は現金比率を100%に引き上げることはできません。
 
どこかに投資マネーは流れるのです。このような時こそ財務が健全である、持続的利益成長を描くことができる、という「投資にふさわしい対象」です。このような投資対象については、時間分散による機械的種まきによって投資金額の平準化を狙うのがベストなのです。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者

柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表
大学を卒業後、日本生命保険に入社。保険営業に従事したのち渡米。米国アリゾナ州、Thunderbird School of Global ManagementにてMBAを修得。帰国後外資系証券会社、投資顧問会社にてアナリスト、日本株ファンドマネジャーを経験。出産・母親の介護を機に退職。三人の子育ての中で、仕事と主婦業の両立を図るべく独立。キャリアカウンセラー、CFPの資格を活かしつつ、それぞれのライフステージでのお金との付き合い方を、セミナーや個別相談により紹介。子どもの教育費・留学費から介護に至るまで経験を交えた実行可能な幅広いストライクゾーンで対応。
http://www.caripri.com