公開日: 2020.08.04 資産運用

外貨建て資産を運用してみませんか

自分と家族の生涯に必要な資金を現役時代に積み立て、そしてそれを賢く運用して増やしていくことが、ますます大切な時代になってきました。

運用商品の選択をする場合、比較的安全な国内の預金や債券(国債・社債)と、リスク資産である株式や投資信託に、外貨建て資産などを組み合わせて、運用利益を確保する方法が一般的です。

ここでは、そのなかの外貨建て資産について学んで、運用の選択肢を考えてみましょう。
 
植田英三郎

執筆者:

執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

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植田英三郎

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執筆者:植田英三郎(うえだ えいざぶろう)

ファイナンシャルプランナー CFP

家電メーカーに37年間勤務後、MBA・CFPファイナンシャルプランナー・福祉住環境コーディネーター等の資格を取得。大阪府立職業訓練校で非常勤講師(2018/3まで)、2014年ウエダFPオフィスを設立し、事業継続中。NPO法人の事務局長として介護施設でのボランティア活動のコーディネートを担当。日本FP協会兵庫支部幹事として活動中。

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外貨建て金融商品の一般的な特徴

外貨建て資産にはいくつかの種類がありますが、一般的な特徴としては、次の3つが挙げられます。

・為替変動(差益と差損)リスク

外貨建て資産は、日々為替相場が変動することで元本がプラスになることがある反面、ときにはマイナスになるリスクがあります。

・金利や分配金の受け取りと為替変動による元本の増減

外貨建て資産(預金・債券・株式)には、国内のものと同様に利息や配当・分配金があります。そして、それに加えて、上記のように為替レートの変動に伴う元本の増減があります。

・為替レートと手数料

外貨建て資産は、為替レートで評価されますが、為替レートには、顧客が外貨を金融機関(銀行など)から買うときの価格(TTS)と、外貨を銀行などに売るときの価格(TTB)があります。
 
TTSとTTBの金額は、取り扱う銀行などと外貨の種類によって相当の差があります。これは、2つの銀行の為替レートの例です(2020.7.12時点)。
 
A行 円→米ドル(TTS) 108.13円  米ドル→円(TTB) 106.13円 1ドル/2円の差
B行 円→米ドル(TTS) 106.98円  米ドル→円(TTB) 106.9円1ドル/0.08円の差
 
取り扱う銀行などの手数料はこのTTSとTTBの差額の中に含まれますが、近年、手数料を含む為替レートは銀行間で大きな違いが出てきています。特にネット銀行は外貨取引に注力しており、メガ銀行などの手数料の10分の1程度を設定しているものもあります。
 

主な外貨建て金融資産の種類と保有の実態

主な外貨建て資産の種類としては、以下の5つがあります。
 
(1)外貨預金 (2)外国債券(外債) (3)外国株式 (4)外国籍投資信託
(5)外国為替証拠金取引(FX)
 
このような外貨建て資産の日本での保有状況は、金融庁の実施したアンケートデータによると以下のようになります(※1)。
 
個人が保有しているリスク性金融商品(複数回答)の中では外貨預金は16%に留まっています。そのほかは、ウエイトが高い順に、1、株式53% 2、投資信託45% 3、貯蓄性保険36% 4、外貨預金16% 5、その他26%となっています。
 
株式や投資信託の中に海外株式や海外債券も含まれる部分はあるのでしょうが、外貨建て資産は少ないことが想定されます。
 

専門家がすすめるポートフォリオ(運用資産配分)

個人では外貨建て資産の保有が少ないことに触れましたが、参考までに、国が運用している年金積立管理運用独立法人(GPIF)の資産配分を見てみましょう。GPIFの基本の資産配分(ポートフォリオ)では、外貨建て資産の比率は、外国株式25%、外国債券25%の合計50%(※2)となっています。
 
また、資産運用の専門家の掲げるポートフォリオ(運用資産配分)提案では、外貨建て資産の比率は、さまざまありますが20%から30%が多くなっているようです。
 
このような背景から見ると、個人の資産運用においても、外貨建て資産への配分を高めることを考えても良いでしょう。

為替レート変動と株価騰落はどちらが大きい?

いわゆる投資入門者については、外貨建て資産の保有率は低いと思われますが、その理由は、為替変動リスクを懸念するためではないでしょうか。
 
大幅な為替変動、特に円高(外貨安)の印象は強いと思いますが、この10年間の為替レートの変動幅と株価の騰落幅を比較してみると、明らかに為替レートの変動幅の方が小さくなっています。

表は円ドル為替レートと日経平均の過去データをもとに筆者が作成
 
*変動率=(最大値―最小値)/最大値×100
 
また、気になる為替手数料については、ネット銀行やネット証券会社の事業拡大に伴って、近年、大幅に引き下げられています。(円ドル為替手数料例 高い銀行:1円から0.5円 安い銀行:0.04円)
 
これらの数字を見る限り、投資入門者であっても、必要以上に外貨建て資産を敬遠する必要はないのではないでしょうか。
 

まとめ

投資運用を考えたとき、国内の金融資産を選ぼうとしても、運用リターンがあってリスクの低い資産は、ほとんどないことに困惑することもあると思われます。
 
国内の金融資産にこだわらず、外貨建て資産にも目を向けてみると、今回見てきたように、外貨建て資産であっても株式関連資産と比較してリスク度は決して高くない、と考えられるのではないでしょうか。
 
ただし、外貨建て資産のリスクは為替以外にもある点は、考慮する必要があります。リスクとリターンを正しく理解して、ぜひ運用の選択肢を考えてみてください。
 
[出典]
(※1)金融庁「平成31年 リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について 31P」(平成31年4月9日)
(※2)年金積立金管理運用独立行政法人「基本ポートフォリオの変更について」
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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