最終更新日: 2020.11.12 公開日: 2020.11.04
資産運用

NISAって何ですか? 3つの「少額投資非課税制度」の前提を想像してみよう!

執筆者 : 重定賢治

今、国は非課税で投資ができるNISAという制度を実施していますが、老後のお金に関するご相談で少なからずこの制度について聞かれます。
 
NISAは「Nippon Individual Savings Account」の略で、日本語にすると「日本版個人貯蓄口座」と訳されます。イギリスのISA(Individual Savings Account)を模しているそうですが、個人が投資を行う場合、それ専用の口座で管理・運用すると一定の投資額に対する売却益や配当金、分配金が非課税になるという制度です。
 
日本版ISAの正式名称は「少額投資非課税制度」となっていますが、少額投資といわれるように、一定の少ない投資額までにかかる売却益や配当金、分配金が非課税になるという仕組みです。
 
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

詳細はこちら
重定賢治

執筆者:

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

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3つのNISA、基本的な違いは?

言葉の理解はここまでにして、制度について簡単に見ていきましょう。
 
ひと口にNISAといっても、その種類は3つあります。「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」です。いずれも一定の投資額に対する非課税制度であることに変わりはありませんが、細かい点で違いがあります。
 
まず、「非課税期間」ですが、一般NISAでは最長5年間、つみたてNISAの場合は最長20年間、そしてジュニアNISAの場合、最長5年間となっています。
 
次に「非課税投資額」ですが、投資できる金額は一般NISAが120万円、つみたてNISAの場合は40万円、ジュニアNISAでは80万円がそれぞれ上限となっています。
 
●各種NISAにおける「非課税期間」と「非課税投資額」

一般NISAつみたてNISAジュニアNISA
非課税期間最長5年間最長20年間最長5年間
非課税投資額年間120万円年間40万円年間80万円

※金融庁 「NISA特設ウェブサイト」より筆者作成
 
このように見ていくと、非課税投資枠は、一般NISAが最大600万円、つみたてNISAが最大800万円、ジュニアNISAが最大400万円に上ることが分かります。
 
●各種NISAにおける「非課税投資枠」

一般NISAつみたてNISAジュニアNISA
非課税投資枠最大600万円最大800万円最大400万円

※金融庁 「NISA特設ウェブサイト」より筆者作成

NISA(少額投資非課税制度)の目的は、中・長期にわたり非課税制度を適用することで、個人の将来における資産形成を促すことにあります。
 
この視点で考えると、最長20年間の非課税投資期間が設けられている「つみたてNISA」が老後のお金、つまり、老後の生活に向けた資産形成を前提にしていることはうなずけます。
 

一般NISAとジュニアNISAは何を前提にしているの?

つみたてNISAが老後の生活資金を準備することを前提にしていることは分かりましたが、一般NISAとジュニアNISAは何を前提にしているのでしょうか。一般NISAは、頭に「一般」という言葉がついているため、NISAの基本形だろうと想像できるかもしれません。
 
NISA(少額投資非課税制度)には、もともと「つみたてNISA」や「ジュニアNISA」はありませんでした。始まった当初は、今でいうところの「一般NISA」しかなく、あとでできたつみたてNISAやジュニアNISAと区別するために一般という言葉が付されています。
 
従って、当初の想定は中期投資を前提にしていたことになりますが、日本人の場合は投資、つまり、資産運用を行う人が少ないため、「貯蓄から投資へ」のスローガンの下、従来の証券税制ではなく少額投資非課税制度を新たに設けることで投資を促そうということがこの制度の背景にあります。
 
このため、一般NISAでは、「銀行にお金を預けていてもなかなか貯まらないので、積極的に投資をする」ことが純粋に前提となっています。
 
一般NISAでは非課税投資額が年間120万円も設けられているため、月に直すと単純に毎月10万円分の投資をすることを想定しています。つまり、一般NISAは単なる「投資促進税制」であるといえます。
 
一方で、目的が定められていないため、この従来のNISAは、つみたてNISAやジュニアNISAが出てくるまでは口座の開設数があまり伸びませんでした。
 
そもそも資産運用をする個人が少ない土壌で「非課税で投資ができます」としたところで、恩恵を受けるのはやはり資産家や高所得者です。
 
「貯蓄から投資へ」のスローガンの意図は資産運用をする人の裾野を広げることなので、より分かりやすくするために資産運用の目的を老後のお金と子どもの教育資金の「積立」にし、つみたてNISAとジュニアNISAがスタートしました。
 
ジュニアNISAは、子どもの教育資金を準備することが目的になっています。
 
非課税期間が最長で5年間、非課税投資額が年間80万円、非課税投資枠が最大400万円であることを考えると、大学に必要な進学資金の準備を前提にしていることが分かります。月に直すと毎月6万6666円を5年間、積立投資することで大学進学資金として400万円を超す金額を準備していきましょうという提案です。
 

まとめ

NISAについて細かい話は省きましたが、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAが前提にしている資産運用が何かを知るところから始めると、おのずとそれらの違いが見えやすくなります。
 
ちなみに、一般NISAは非課税投資額が年間120万円と多いため、必ずしも積立投資を前提にしているわけではありません。一方、つみたてNISAとジュニアNISAは積立投資が前提です。
 
これは、資産運用をする場合、目的に合わせて方法を考えていく必要があるためですが、一般NISAは目的のないお金を前提とし、つみたてNISAとジュニアNISAは、それぞれ老後のお金や大学への進学資金を準備することが目的となっています。
 
この意味でよく考えられている制度といえますが、果たして一般NISAで年間120万円の非課税投資額、つみたてNISAで年間40万円の非課税投資額、ジュニアNISAで年間80万円の非課税投資額を、どの制度を活用するかは別にして、家計から「先取り貯蓄」で準備することができるご家庭がどれぐらいあるかは疑問が残ります。
 
これらの制度は、毎年続けることで非課税の恩恵をフルに受けられることが前提になっているため、家計面では、毎年いくら投資していくかを事前に検討する必要があります。制度としては良い制度であるため、本来の目的を素直に理解し、家計にとって無理のない範囲内で投資をするようにしていきましょう。
 
出典
金融庁 NISA特設ウェブサイト
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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