更新日: 2020.12.04 NISA

2023年廃止のジュニアNISAの利便性が向上して、再注目?

執筆者 : 高橋庸夫

2023年廃止のジュニアNISAの利便性が向上して、再注目?
現行の制度においてNISA(少額投資非課税制度)は、一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類となっています。このうち、ジュニアNISAは最も開設口座数が少ないこともあり、令和2年度税制改正において、2023年12月31日で新規口座開設が終了することが決定されています。
 
その一方で、ジュニアNISAを2023年末までに利用開始する人にとって、以前にも増して使いやすく、利便性が向上したとの声が聞かれます。ここでは、その変更点などを確認してみましょう。

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高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

ジュニアNISAとは

ジュニアNISAは、未成年者(20歳未満)を対象とした制度です。20歳未満の子ども1人につき、年間投資額は80万円で5年間、その投資額とそれにかかる売却益や配当金について非課税となります。原則として、年間80万円までの投資は、父母(親権者等)が未成年者のために代理して運用されます。
 
例えば、父母が子どものために年間80万円のお金を拠出した場合、贈与の対象となりますが、通常は贈与税の暦年課税の基礎控除110万円の範囲内のため、贈与税は課税されません。利用目的は限定されませんが、主に、子どもの教育資金や将来のお金を準備することに利用されます。
 
そして、これまでの制度の中で不人気となった最大の理由(使いづらい点)は、引き出しについての年齢制限であるといわれています。
 

ジュニアNISAの変更点

前述のとおり、税制改正においてジュニアNISAは2023年末で新規口座開設が終了することが決定しています。それと引き換えに、2023年末までにジュニアNISAを利用する方にとっては、利便性の向上が図られることになりました。
 

1.払い出し制限の緩和

現行制度では、災害などのやむを得ない場合を除いて、子どもが18歳になるまでは払い出しの制限がありました。もし、18歳の前に途中で払い出す場合には、過去の利益(売却益や配当)に対しても課税されることになります。
 
改正後の制度では、2024年1月以降は子どもが18歳になる前でもいつでも引き出せることとなりました。これまでは、使用使途が大学の進学資金や結婚資金などの将来的な資金に限られていましたが、子どもが幼少期から大人になるまでいつでも利用できるようになり、利便性が格段に向上したといわれています。
 

2.非課税での保有期間が最大18年

現行制度では、ジュニアNISAの非課税期間は5年間で、満期を迎えた時点で引き続き継続して非課税で保有する場合には、翌年の非課税投資枠を利用して「ロールオーバー」(非課税期間の延長)という制度を使う方法がありました。
 
改正後の制度では、2024年1月以降は子どもが18歳になるまでは、ロールオーバーを使わなくても非課税で保有し続けることが可能となりました。これにより、子どもが生まれてすぐにジュニアNISAを利用開始すれば、最大18年間非課税で保有し、その間の運用の成果を得ることができるようになります。
 

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まとめ

令和2年度の税制改正では、その他に一般NISAの制度改正も決定されています。そして、残念ながら2023年末でジュニアNISAの新規口座開設はできなくなります。
 
仮に、2020年にジュニアNISAを利用開始した場合には、2023年までに年間80万円×4年間で320万円の投資が可能となります。その投資額と利益は子どもが18歳になるまで非課税で保有、運用することができます。
 
制度の廃止と引き換えに、利便性の向上が図られたジュニアNISA。これを機に、もしご興味があれば利用を検討することも一考かと思います。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー