更新日: 2021.02.10 その他資産運用

投資信託を選ぶにあたって知っておきたい「コスト」のこと

執筆者 : 大竹麻佐子

投資信託を選ぶにあたって知っておきたい「コスト」のこと
世代を問わず「投資」に目を向ける方が増えています。投資を始めた方からは、社会情勢や経済の動きに興味をもつようになり、自分自身の価値観が変わった、といった声も聞こえてきます。

ただ、日々の値動きや運用実績に気を取られ、中長期での視点を忘れがちな傾向がみられます。そして見落としがちなのが、投資にかかる手数料などの「コスト」です。投資信託を選ぶにあたって知っておきたい「コスト」について考えてみましょう。

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大竹麻佐子

執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)

CFP🄬認定者・相続診断士

 
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表
証券会社、銀行、保険会社など金融機関での業務を経て現在に至る。家計管理に役立つのでは、との思いからAFP取得(2000年)、日本FP協会東京支部主催地域イベントへの参加をきっかけにFP活動開始(2011年)、日本FP協会 「くらしとお金のFP相談室」相談員(2016年)。
 
「目の前にいるその人が、より豊かに、よりよくなるために、今できること」を考え、サポートし続ける。
 
従業員向け「50代からのライフデザイン」セミナーや個人相談、生活するの観点から学ぶ「お金の基礎知識」講座など開催。
 
2人の男子(高3と小6)の母。品川区在住
ゆめプランニング笑顔相続・FP事務所 代表 https://fp-yumeplan.com/

侮れない「手数料」の負担

最近ではキャッシュレス化が進み、現金を持ち歩く機会がすっかり減りました。そうはいっても現金が必要になることも多々あります。休日や夜間に、ついついコンビニのATMで引き出していませんか。利便性と引き換えに「手数料」が発生し、気が付けば、安心・安全なはずの普通預金が「手数料」によって元本割れとなります。
 
特定のコンビニ、月に何回まで無料など取引金融機関や口座による優遇の有無などのチェックをしておくことも大切です。「お金に向き合う」ためには、こうしたコスト意識を変えることから始めたいものです。
 

投資信託から始めてみる

多くの人が少しずつお金を出し合ってまとまった資金を作ることで、株式や債券などに投資し、運用するのが投資信託です。運用によって得られる利益は、それぞれの投資額に応じて分配されます。
 
何に投資するかにより株式投資信託や公社債投資信託、運用開始後の追加購入の可否による単位型(ユニット型)や追加型(オープン型)、運用手法による分類(インデックス運用やアクティブ運用)などタイプはさまざまです。2020年12月現在、5913もの投資信託が運用中です(一般社団法人投資信託協会「投資信託の主要統計等ファクトブック」※より)。
 
概要や運用方針を説明する目論見書(もくろみしょ)や、運用状況の記載された運用報告書を参考にタイプや商品を選びましょう。
 
運用実績により利益が得られる場合もありますが、損失となる場合もあります。投資信託は投資家自身のそれぞれのリスク許容度に応じた選択が必要という点で貯蓄と異なります。
 

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投資信託にかかる手数料

手数料は、商品やサービスの提供において、時間や労力の対価として発生するお金といえます。投資信託では、以下の通り、購入時・保有時・解約時において手数料が発生します。
 

購入時の手数料

■販売手数料

投資信託を購入する際に、証券会社など販売会社に支払う費用です。申込手数料、購入時手数料などと呼ばれることもあります。申込み価額に対して一定の料率で、委託会社が設定した率を上限として販売会社が自由に決めることができるため、同じ投資信託でも、購入する販売会社によって異なる場合があります。
 
投資信託によっては、手数料がかからないものや、解約時にかかるものがあります。「ノーロード」と表示されたファンドには販売手数料は発生しません。

 

保有時の手数料

■信託報酬

信託財産(総資産総額)の運用管理を行うことに対する報酬であり、信託財産を通じて間接的に支払う費用です。運用実績にかかわらず継続して負担します。すべての投資信託で発生する費用であり、毎日計算され、信託財産から控除されています。
 
運用管理にかかる費用として、運用会社・販売会社・信託銀行で配分されます。
・委託者(運用会社):運用のための費用や報酬、目論見書や運用報告書など開示資料の作成などにかかる費用
・受託者(信託銀行):資産の保管や管理費用など
・販売会社(証券会社など):取扱事務費用や発送費用など

 

■監査報酬

原則として決算ごとに監査を受ける必要があるため、費用を間接的に支払います。

 

■売買委託手数料など

投資信託が投資する株式などを売買する際に発生する費用を間接的に支払います。取引の都度発生するため、事前にいくらかかるのか示すことができません。そのため事前交付の目論見書でなく、運用報告書に記載されています。

 

解約時の手数料

■信託財産留保額

投資信託を解約(換金)する際に、保有し続ける投資家に影響がないように負担する費用です。販売会社が受け取るのではなく、資産の売買委託手数料のほか残された信託財産に留保されます。投資信託の商品によっては差し引かれない設定の商品もあります。

 

目論見書から信託報酬を確認してみましょう

これらの手数料などのコストのうち、信託報酬に注目すると、年率0.2%から2.0%前後(税別)とかなり幅があります。
 
日経平均やTOPIXのような指標に連動したファンドの場合には比較的低く設定されていますが、より高いパフォーマンスをめざすアクティブファンドは、運用担当者の時間と労力を費やすため信託報酬も高めです。
 
例えば、成長が見込まれる投資先への投資は、同時に値動きも大きく、リスクも大きくなります。信託報酬以上のパフォーマンスが出せれば信託財産は増えますが、結果が出せなければマイナスとなります。そういった意味で、信託報酬は、投資信託を選ぶ際の重要なポイントです。
 

まとめ

投資信託の購入時や解約時に直接支払う手数料は明確ですが、信託報酬のように信託財産から間接的に控除される手数料は投資家にとっては見えにくいのが現実かもしれません。
 
数多くある投資信託の商品ラインナップから選択するのは、確かに難しいものです。
 
ただし、やみくもに選ぶのは避けましょう。目論見書は多くの場合、取引のある証券会社で印刷されたものを受け取ることができますが、インターネットを通じてダウンロードすることも可能です。
 
何に投資するのか、購入から解約までの間にどんな手数料がどれくらい発生するのかなどをふまえて検討することをおすすめします。
 
[出典]※一般社団法人投資信託協会「投資信託の主要統計等ファクトブック(2020年12月末)」
 
執筆者:大竹麻佐子
CFP🄬認定者・相続診断士