しかし、利率を上げるために外貨を組み込んだ「仕組債」がこの世には存在しています。それが「デュアルカレンシー債」や「リバースデュアルカレンシー債」というものです。今回はその特徴を取り上げていきます。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「デュアルカレンシー債」「リバースデュアルカレンシー債」とは? ?
どちらにも共通している「デュアルカレンシー」という言葉をひも解くと、「dual=二重の」「currency=通貨」の債券ということになります。
どういうことかというと、普通の債券では「購入」「利払い」「償還」のいずれも同じ通貨で行いますが、デュアルカレンシー債は日本円と米ドルなど2つの通貨の組み合わせがなされるのです。
「デュアルカレンシー債」と「リバースデュアルカレンシー債」の違いは、外貨に変わるタイミングです。「デュアルカレンシー債」は、「購入」と「利払い」が日本円、「償還」が外貨です。
一方、「リバースデュアルカレンシー債」は、「購入」と「償還」が日本円、「利払い」が外貨になっています。「デュアルカレンシー債」に対して、利払いと償還の外貨が入れ替わっていることから「リバース」と名がついています。
デュアルカレンシー債の仕組み
基本的には債券と大きく変わることはありません。しかし、「償還」あるいは「利払い」の部分を外貨で支払う仕組みにしているため、利率が高くなるように作られています。
「デュアルカレンシー債」の場合は、償還時の支払いが外貨となるため、購入時の金額と比較して償還時の為替レートの影響で利益が出る場合もあれば、損失が出る場合もあります。
「リバースデュアルカレンシー債」の場合は、同様に利払い時の支払いが外貨であり、受取金額が一定ではありません。円安であれば利息を円に両替した場合は大きくなりますが、円高の場合は利率が高くとも、両替時に為替の影響を受けて低い利率の円建て債券の利息より少なくなるということも十分に考えられます。
2つのリスクを比較しますと、償還時の額面金額の方が利払い時の金額より大きいため、「デュアルカレンシー債」の方がよりリスクが高いと言えます。
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オプション付きデュアルカレンシー債
利率を更に上げるために、オプションが付加されている場合があります。例えば、ノックイン条項付きのものです。
通常のデュアルカレンシー債であれば、償還時は外貨と決定されていて、償還時の為替レートは直前に決定されるのが一般的です。
ですが、このオプション付きの場合は、償還までの為替レートが購入時より-10円円高にならなければ円建てで償還、なった場合は外貨建てで償還と、変則的な条件が付されます。
10円以内の円高であった場合は為替リスクを負わなくてよくなりますが、それを超える円高になった場合は、外貨での償還が確定し、かつ10円円高の損失を抱えることになります。
仕組債の中では比較的シンプル
非常に多くの種類のある仕組債の中では、デュアルカレンシー債、リバースデュアルカレンシー債はシンプルで分かりやすいと思います。
リスクについても為替リスクが主体であり、それ以外のものは影響が少ないと言えます。一方で、オプションが付加されたものは途端に複雑になり、リスクが限定される部分と無制限になる部分の幅が大きく広がるようになります。
債券として分類はされますが、仕組債投資をする場合はきちんとその中身を理解した上で投資に臨んでください。投資の鉄則は、「分からないものには手を出さない」と言われていたりもします。目の前の良い数字に飛びついて、後で悲しい思いをしないように気を付けましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部