優待廃止でも「JT」は“高配当”で得? 年間「20万円」以上の配当を狙うなら「預金500万円」を“すべて株に変える”のはアリですか? 新NISA時代は「優待より現金」? 出口戦略と銘柄選びの極意

配信日: 2026.05.24
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優待廃止でも「JT」は“高配当”で得? 年間「20万円」以上の配当を狙うなら「預金500万円」を“すべて株に変える”のはアリですか? 新NISA時代は「優待より現金」? 出口戦略と銘柄選びの極意
かつて株主優待の定番だった日本たばこ産業(JT)は、2023年発送分をもって優待制度を廃止しました。現在は「現金(配当)」で株主に還元する方針へとかじを切っています。
 
それでは、預金500万円すべてをJTのような高配当株に変えれば、年間20万円以上の配当を非課税で得られるのでしょうか。新NISA時代における銘柄選びと出口戦略のポイントを解説します。
金子賢司

CFP

JTの優待廃止と「配当へ集約」する株主還元方針

JTは、2022年2月開催の取締役会において株主優待制度の廃止を決議し、2023年発送分をもって優待を終了しています。同社の発表では、配当等による利益還元へ集約する方針が示されました。
 
具体的な株主還元方針は、配当性向75%を目安(プラスマイナス5%程度の範囲内で判断)と定められており、配当基準日は6月30日、12月31日の年2回となっています。
 

JTの2026年度配当予想と配当利回り

JTのIR情報によると、1株当たり配当金は2025年度実績が年間234円、2026年度予想は年間242円(中間121円、期末121円)となっています。連結配当性向の予想は75.2%です。
 
配当利回りは株価に応じて変動しますが、2026年度の年間配当242円予想に基づいて計算すると、足元の株価(おおむね6000円台前半)では3%台後半~4%前後で推移しています。
 
優待廃止前は配当利回り8%を超える局面もありましたが、その後の株価上昇に伴って利回りはやや低下しました。
 

500万円で「年間20万円」の配当を得るシミュレーション

預金500万円で年間20万円の配当を得るには、配当利回り4%の銘柄が必要です(20万円÷500万円=4%)。
 
JTを例に、仮に株価6000円で買えた場合を試算すると、500万円でおよそ800株購入でき、年間配当242円なら年間配当はおよそ19万4000円(筆者計算)となります。配当利回りが約4%となる水準で投資できれば、500万円で年間20万円前後の配当が見込める計算です。
 
ただし、上場株式の配当を特定口座で受け取る場合、合計20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)が源泉徴収されます。年間20万円なら税額はおよそ4万630円(筆者計算)となり、手取りは約15万9000円となります。
 

NISA「成長投資枠」なら配当が非課税で受け取れる

NISAは2024年から新制度が始まった少額投資非課税制度で、運用益(売却益・配当)が非課税となります。
 
年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の合計360万円、生涯の非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠1200万円)と定められています。
 
成長投資枠で個別株を保有すれば、20.315%の税金がかからず、年間20万円の配当ならその全額を手にできる計算です。ただし、成長投資枠は年間240万円が上限のため、500万円すべてを非課税で投資するには、最低2年以上かけて段階的に枠を使う設計となります。
 

個別株1銘柄への集中投資が抱えるリスクと分散の重要性

高配当株は魅力的に映りますが、預金500万円のすべてを1銘柄や少数の個別株に集中させるのは、リスクも一極に偏る選択といえます。主なリスクは以下のとおりです。
 

・減配リスク:業績悪化や規制変更などで予想配当が引き下げられる可能性
・株価変動リスク:購入時より株価が下落すると含み損が生じ、元本割れの恐れ
・業界固有リスク:規制強化や訴訟の影響を受けやすい業種もある

 
JTでは、カナダ子会社の喫煙と健康に関する訴訟の和解に伴い、2024年度にカナダ訴訟損失引当金3756億円を一括計上した実績もあります。
 
一部を生活防衛資金として預金に残しつつ、複数銘柄や投資信託・ETFなどへ分散させる投資方法が基本といえるでしょう。
 

まとめ

「優待より現金」を重視する流れの中で、JTのような高配当銘柄は配当収入の柱になり得ます。
 
一方、預金500万円すべてを単一の個別株に集中するのではなく、NISAの非課税枠を活用しつつ複数銘柄への分散を意識することが重要です。
 
配当金や配当利回りだけで判断するのではなく、個別企業の将来性や成長性をしっかり分析して銘柄を選ぶ視点を持ちましょう。
 

出典

日本たばこ産業株式会社 株主優待
日本たばこ産業株式会社 株主還元方針・配当
 
執筆者 : 金子賢司
CFP

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