2017.06.05 家計

〈中学受験をしたい!〉 ①受験までにかかるお金。いつまでに何にいくら必要?

日本は教育制度が整っており、教育水準も高い国です。また義務教育である中学でも、公立・私立さまざまな学校があり、全員が同じ教育を受けるわけではありません。そのような中、少子化に伴い子供の教育に対してますます熱が入る親ごころ、よく理解できます。
文部科学省の「平成26年度子どもの学習費調査」によると、「学校外活動費」は、小学生では人口規模が大きくなるほど多くなる傾向にあります。1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)では、7人に1人が中学受験に挑むという数字もあります。都心部では3人に1人ともいわれ、都立中高一貫校を受験する子を入れると、実に多くの子供が中学受験を経験する時代です。
そうなると「親としては…」この言葉の重みを、お金の面からも感じるようになります。前々から教育資金をしっかり準備できていればよいのですが、これから準備をしようと思っている方は、まず何にどれくらいかかるのか、いつまでにいくら貯めたらよいのか、目標額を知ることから始めましょう。

中学受験への道のりは結構長い!

中学受験をした子の多くは、塾に通って勉強をしています。いつから塾に行けばよいのか?それに明確な答えはありません。大手の塾では、4年生になると受験に向けてカリキュラムが本格化していきます。
 
このあたりから学校と塾の授業には大きな違いが出てきて、塾では中学受験用の勉強が始まります。まだ4年生の頃は、塾に行かなくても十分に対応できる能力の子もいるのですが、この時期は学習の習慣づけ的な意味合いもあり、今後の受験勉強を乗り切るための生活習慣を含めた土台作りと考えてられているようです。
 
最近では、1~3年生のクラスも設置され、塾通いの早期化・低年齢化が進んでいます。ただしこの年代は、中学受験の内容を先取りするのではなく、学習の習慣づけや自分で考える癖をつける思考力アップを目指したカリキュラムになっていたりします。
 

受験までの費用はいくらかかる?

気になる塾代は?というと、大手の進学塾では、小4で月2~3万円、小5で月3~5万円、小6になると月5~6万円程度になります。
 
これは通常授業分で、この他に夏期講習やコース(学校)別特別講習、追加の単科クラス、追加教材や模擬試験代などを合わせると、数十万円単位で追加費用がかかってきます。
 
これらは学校選択や学習の進捗状況、成績によっても変わってくるため、節約する(省略する)ことが難しい場合が多く、6年生の1年間で120万円程度の準備は必要でしょう。
 
特に夏期講習、秋以降の特別講習などの支払いの際には、一度に数十万円もの金額が口座から引落しになることがあるので注意が必要です。
 
さらには複数の塾に通う子もいます。例えば、小6ですと週3~4日はメインの塾に通い、空いている1~2日は個別塾などでフォローアップや重点対策を行うなど、毎日の学習を自宅だけでなく自宅外でも行うケースもあります。そうなると、小6の1年間で200万円を超える可能性もでてきます。
 

いよいよ受験本番!スケジュールをうまく組めるかどうかがカギ!

小6秋ごろの模擬テストの結果を参考に、家庭内で話し合ったり、塾と面談したりして、いよいよ受験校を決めていきます。第一希望(いわゆる本命)、第二希望、押さえ(いわゆる滑り止め)、お試し受験校などと2~3校またはそれ以上受験することになります。
 
受験料は学校によって異なりますが、1校2万円から3万円程度で、受験料は大学受験の時とさほど変わりません。3校受験すると9万円、5校受験で15万円の出費です。
学校によっては受験日が複数回設定されているところがあり、2回目以降は受験料の割引がある場合もあります。
 
受験校を決めたら、入学試験要項や願書を入手します。小6の子供が自分で手続きするのは実質無理なので、親の仕事になりますが、手続き漏れがあってはいけない!と、このあたりから親も緊張を感じます。ちなみに願書は、無料で配布している学校と有料で販売している学校があります。
 
大事なのは、受験スケジュールです。地域によって受験日が違っていますが、都内では3~5日間に集中しており、何日にどこを受けるか?本命の前にお試し受験をしておく?押さえ校の合格をとっておくと安心して本命に臨める、力が発揮できるかも?などと受験スケジュールをたてていきます。
 
その際、チェックすべきは、入学金と入学金の納付締め切りです。入学金は、後日入学辞退となっても基本的に返還されません。
 
押さえ校の入学金納付締め切り日が本命校の合格発表日よりも早ければ、押さえ校の入学金を納めておかないといけないことになります。
 
入学金は、おおよそ20万円から30万円が中心ですが、施設費や初年度授業料などと合わせると、初年度納入金は100万円近い金額になります。
 
東京都「平成29年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、都内の私立中学校の初年度納付金(授業料、入学金、施設費及びその他毎年度納付する費用)の平均は94万5,193円で、前年度に比べて増加傾向にあります。
 
ちなみに私の息子の受験では、入学金の納付締め切りを全く考慮せず、本人の希望を優先して受験スケジュールを組んだため(それが悪いわけではないと思いますが)、実際に通っている学校を入れると3校分の入学金を納めました。
 
70万円以上の痛い出費であるとともに、2校分は返ってこないというなんとも悲しい経験があります。
 

まとめ

親が望んで進路を決めるご家庭もあれば、子供から「あの学校に行きたい!」と言われ、本人が望むならば何とかしてあげたいという思いから、受験を決意される方もいるでしょう。
 
子供の教育にいくらかけるか?「将来への投資」と言う方もいますが、何をもって費用対効果とするのか、「300万円の投資で偏差値が10上の学校に入れた」などと簡単に図れるものではありません。
 
偏差値の高い学校に進むことが子供の幸せとは限らず、学校教育における人間形成が大事とも言えます。中学受験をするorしない、学区内の公立中学に進み、高校受験をする道を含めて、学校選びが親にとっての大きな悩みになっていることは事実のようです。
 

黒澤佳子

Text:黒澤佳子(くろさわよしこ)

CFP(R)認定者、中小企業診断士

システム監査技術者、不正検査士(CFE)
アットハーモニーマネジメントオフィス代表
栃木県出身。横浜国立大学卒業後、銀行、IT企業、監査法人を経て独立。個別相談、セミナー講師、本やコラムの執筆等を行う。
毎日小学生と高校生の子育てに七転八倒しながら、明日の子供たちが希望を持って暮らせる社会の実現を願い、金融経済教育に取り組んでいる。
また女性が自分らしく希望を持って生きられるよう、女性起業家支援を中心に経営サポートを行っている。
大学では会計、マーケティング、経営、経済等のビジネスの基本科目の講義を担当。
https://www.atharmony-office.jp/

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