最終更新日:2019.01.11 公開日:2017.10.20
家計

先人の知恵に学ぶ家計術。『武士の家計簿』を読んでみた!?


生き方に迷った時、先人の知恵に頼ることがあります。

歴史を学ぶと現代にも通じるモノの見方や考え方が多く、いつの時代も変わらない真理が見えます。

今回は、身近な家計管理術において、先人たちの失敗と成功について考えます。

 

家族で協力して家計を立て直す

 
「武士の家計簿」(新潮新書)は、磯田道史さん著作で2003年に出版されたベストセラーで、映画化もされました。

これは、「金沢藩士猪山家文書」という古文書に家計簿が遺されていたことがきっかけで、創作されたものです。

古文書は天保13(1842)年から明治12(1879)年のものですが、現代にも通じる興味深い3つの事柄について考えたいと思います。

■妻も自分の資産を持つ

この時代は寿命も短く、武家の場合は戦(いくさ)で命を落とすこともあります。持参金を手に嫁いだとしても、実家に戻ったり再婚したり。女性は自分の資産を家の会計とは別建てで持っていたのです。

それなりに決まったお小遣いをもらい、被服費(着物)に充てています。これは、学ぶべきことだと思います。

たとえ専業主婦であっても、自分名義の口座で資産を持つことは大切です。夫の資産と分けておくことで、相続対策にもなります。

■高利で借りているものを交渉し、金利を下げてもらう

猪山家は一時期、困窮して多大な借金をしてしまい、返済出来ない状態に陥りました。お金の使い方に無頓着であった為に、このままでは破たんしてしまう、その一歩手前まで行ってしまったのです。

まず全財産を使って借金の返済に充て、周りにもその覚悟を見せました。父の趣味の茶道具も、嫁入り道具の箪笥や着物も売りました。家族全員がこれまでの生活を反省したのです。

家族の協力は、最も大切なことです。その上で借入先に交渉し、金利を下げてもらいます。相手も、破産されてしまっては貸付金の残金が戻ってきませんから、交渉のテーブルにつきます。

住宅ローン等、返済が難しくなったら銀行と交渉は必要です。それは無理だと思い、他で更に借金をしてしまうケースがありますが、これは悪循環を生みます。借入残高を増やすだけでなく、新たな借り入れは金利がさらに高くなってしまうことが多いのです。 

 

自分を磨く大切さ

 
■教育費を使い、技量を上げ(資格を取り)出世の道を広げる

もともと猪山家は前田家の直参ではなく、「陪臣」と呼ばれる、家来の家来でした。

筆とソロバンの技術があったので、「御算用者」として直参になれたのです。家柄による地位ではありませんから、地位を継がせるには、息子にも同様の技術が求められます。そのための教育費は惜しみませんでした。

教育によって得たものは大きく、時代が明治に移って前田家から離れても、家計を大いに助けることになります。子どもの教育費も然りですが、自己投資としても説得力のある話です。周りの環境が大きく変わっても、自分に強みがあれば能力は求められ、貴重な人材とされます。

自分を活かす技術を磨く努力は、いつの時代も大切なことだと感じました。

 
 
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい…。そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

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