最終更新日: 2019.07.03 公開日: 2019.01.24
家計

奨学金を借りて大学を卒業したのに、就職活動で失敗したせいで収入が不安定・・どうしよう

奨学金を借りて大学を卒業したのに、就職活動で失敗したせいで収入が不安定になったという人は、決して珍しくありません。
 
今回のケースも私立大学の第一種奨学金を4年間(48回)、自宅外通学で仮に毎月6万4000円を借り入れる(貸与期間は進学した月から卒業した月)とした場合のご相談となっています。総額で307万2000円という金額を返していくのは、不安定な収入では難しいため、今から不安を感じることもあるでしょう。
 
しかし今現在の制度を上手に利用すれば、家計への負担を最小限に抑えたまま返済が可能です。こちらで今回のケースを参考に、奨学金の返し方を今一度学んでみましょう。
 
 
FINANCIAL FIELD編集部

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所得連動返還方式という地道な方法

これまでの奨学金の返済は、「定額返還方式」と呼ばれる方法を取ることが一般的でした。収入に関わらず、一定の額を返済し続けるこの制度は、収入が安定しない今回のケースにおいては、とても不便なものであると感じられるでしょう。
 
そこで日本学生支援機構は平成29年4月より、新たに「所得連動返還方式」という返済制度を開始したのです。
 
これは返済を行う人の収入によって、月々の返還金額が変動するシステムで、家計への圧迫を抑えつつ、地道に返済を続けていけるように配慮した制度となっています。所得が少ない間はそれに応じて返還額も少なくなるため、就職活動や資格勉強など未来を変えるための活動にお金を回すことができるでしょう。
 
返還額が少ないと当然返済期間は延びることになりますが、所得連動返還方式では利息などによって返還総額が増えることはありません。無理なく自分のペースで返していけることから、安心して卒業後の生活を送ることができるのです。
 

定額返還方式の場合

もし仮に今回のケースをこれまで通り「定額返還方式」で返すとしたら、収入に関わらず定額での返還が採用されることになります。
 
日本学生支援機構のシミュレーションで試してみると、総額307万2000円を返還するのに18年間、返還回数216回、月額返還が通常1万4222円という結果が出ました。基本的にこのくらいの年数と毎月の返還が必要となるので、収入が安定していない時期にはつらい出費となるでしょう。
 
もちろんその人の総額や返還の方法(繰り上げ返還など)によって変わってきますが、自分の収入に関わらず一定額を支払っていかなければならないのです。
 

所得連動返還方式の場合

一方「所得連動返還方式」の場合は、「前年の課税総所得金額の9%÷12」という計算式によって月額の返還金額が決定されます。返還開始月は、貸与の終了から7ヶ月後となるので、そこから上記の計算式によって導き出された数字を返還していくことになるのです。しかし返還初年度は、定額返還方式の割賦額の半額となります。
 
今回のケースの場合、定額返還方式だと仮に1万4222円となっているので、半額の7111円が初年度の返済額となるでしょう。かなり低く抑えられますが、それでも返済が困難な場合は、申請することで2000円の返済で済ませることも可能です。
 
以降は毎年の所得に応じて、支払い額の見直しが行われることになります。
 
見直された金額は10月から翌年の9月までの1年間に適用され、その後も毎年10月に返還額をチェックして見直していくことになるのです。所得が増えればその分返済額も増えますが、同時に返済回数も少なくなるので、早めに返還義務を終えることができます。
 

まとめ

所得連動返還方式は、平成29年度以降に第一種奨学金を申し込んだ人を対象とした制度であるため、それ以前に奨学金を借りている場合は利用することができません。
 
しかし、平成29年度以降の対象者であるなら、契約後でも定額返還方式から所得連動返還方式への変更は可能なので、将来の支払いに不安に感じる場合は、この機に返還方法を見直してみるといいでしょう。
 
出典
独立行政法人 日本学生支援機構「所得連動返還方式について」
独立行政法人 日本学生支援機構「奨学金に関するよくあるご質問 〜貸与奨学金(国内)に関するご質問〜」
独立行政法人 日本学生支援機構「奨学金貸与・返還シミュレーション」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 



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