最終更新日: 2020.08.07 公開日: 2020.08.08
家計

これからはパート・契約社員と正社員の格差がなくなる? パートタイム・有期雇用労働法をおさらい!

執筆者 : 辻章嗣

2020年4月1日(中小企業は2021年4月1日)から「パートタイム・有期雇用労働法」が施行され、同一企業内の正社員とパートタイム・有期雇用労働者間の不合理な待遇差が禁止されました。
 
今回はその内容についておさらいしていきましょう。
 
辻章嗣

執筆者:

執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/

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辻章嗣

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執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)

ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
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正社員とパート・契約社員間の不合理な待遇差が禁止される!

パート・契約社員の皆さん、不合理な待遇を受けないよう「パートタイム・有期雇用労働法」を理解しましょう。

1.不合理な待遇差が禁止される

同一企業内の正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規社員(パートタイム労働者および有期雇用労働者)との間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理となる待遇差を設けることが禁止されます。
 
この法律は、正社員と非正規社員の待遇を全て等しくしなければならいと規定するものではなく、「均衡待遇規定」に基づいて不合理な待遇差がないのか判断して、「均等待遇規定」により差別的取り扱いが禁止されます(※1)。
 
(1)均衡待遇規定(不合理な待遇差の禁止)
以下の内容について考慮し、不合理な待遇差が禁止されます。
1、職務内容(注)
2、職務内容・配置の変更の範囲
3、その他の事情
 
(2)均等待遇規定(差別的取り扱いの禁止)
以下の内容が同じ場合は、差別的取り扱いが禁止されます。
1、職務内容(注)
2、職務内容・配置の変更の範囲
(注)職務の内容には、業務の内容と責任の程度が含まれます。
 
これらは、基本的な判断基準ですが、具体的にどういったことなのか、以下で見てみましょう。
 

2.「同一労働同一賃金ガイドライン」とは

この法律に基づいて、いかなる待遇差が不合理であり、いかなる待遇差が不合理ではないのか、原則となる考え方と具体例が「同一労働同一賃金ガイドライン」として示されています(※2)。
 
【図表1】


 
つまり、「同じように仕事をしているけれど非正規社員だからボーナスがない」といったような待遇は基本的に認められず、各種手当についても、正規社員と支給要件などが同じであれば同じように支給されるということになります。
 

3.労働者に対する待遇に関する説明義務が強化されます

また、この法律では、以下の事項が規定されており、非正規社員が、正社員との待遇差の内容や理由などについて、事業主に対して説明を求めることができるようになりました(※1)。
 
(1)事業主は雇い入れ時に、雇用管理上の措置の内容(賃金、福利厚生、教育訓練など)を説明する義務があります。
(2)非正規社員は、待遇決定に際しての考慮事項について、事業主に説明を求めることができます。
(3)非正規社員は、待遇差の内容と理由について、事業主に説明を求めることができます。
(4)事業主は、非正規社員が説明を求めたことを理由に不利益な取り扱いをしてはならないこととされています。
 
(1)については事業主からの説明義務がありますが、(2)(3)については非正規社員から説明を求めることが前提となっているため、待遇の内容について疑問があるときは、自ら説明を求めることが必要になります。
 

4.行政による紛争解決手段が整備されます

なお、「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由に関する説明」に関して労使間で問題が起きたとき、その解決手段として、裁判によらない都道府県労働局が行う「裁判外紛争解決手続(行政ADR)」の対象とされることになり、無料・非公開・迅速な紛争解決手段が整備されました。
 
また、行政による助言・指導などを受けることもできますので、事業主との話し合いによる解決ができない場合は、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に問い合わせることをお勧めします(※1)。
 

まとめ

正社員とは待遇格差があっても仕方がないと思っていた非正規社員の皆さん、4月から施行されている「パートタイム・有期雇用労働法」によって、その格差はなくなっているべきものかもしれません。厚生労働省の「パート・有期労働ポータルサイト」(※3)を使って、今一度処遇を見直してみませんか。
 
そして、不合理な待遇差があった場合には、事業主に説明を求めましょう。それでも解決できない場合は、都道府県労働局に相談されると良いでしょう。
 
〈出典〉
(※1)厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法が施行されます」
(※2)厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
(※3)厚生労働省「パート・有期労働ポータルサイト」

執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士

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