加えて、昨年からは新型コロナウイルスの影響により、野菜の買い方にも少しずつ変化が見られている様子。人々の野菜の買い方や価格への意識などは、コロナ禍によりどのように変わっているのでしょうか。
今回は、タキイ種苗株式会社が発表した野菜に関する調査結果(※)をひもといていきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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コロナ禍のいま、半数近くの人が非接触で野菜を購入
この調査は、全国の20代から60代の男女を対象に行われたもの。まずは野菜の買い方から見てみましょう。
非接触での野菜の購入経験については、「ある」が46.5%、「ない」が53.5%。対面以外の方法で野菜を購入したことがあるという人が、半数近くという結果に。
具体的な方法は、以下のとおり。
【非接触での野菜購入 利用内訳(複数回答)】 | |
1位 | 無人直売所 45.1% |
2位 | スーパーや量販店などの宅配サービス 44.4% |
3位 | 農家直送品 31.3% |
4位 | 野菜宅配サービス 20.1% |
5位 | ショッピングモール系のECサイト 12.5% |
1位の「無人直売所」については、「新鮮な野菜が買える」「お得に購入できる」「生産者を支援することができる」といったコメントが多く挙がりました。
2位の「スーパーや量販店などの宅配サービス」には、「外出せずに済むのが便利」「一度にたくさん買うことができる」「非接触で買うことができる」といったコメントが多数。
また、3位の「農家直送品」については、「生産者の顔が分かる野菜を買える」「生産者を支援することができる」「お得に購入できる」といった、無人直売所と共通するコメントが見られました。
昨年は、コロナ禍で休校などになった影響で、行き場のなくなった野菜を生産者の方々が格安で販売するということもありましたね。廃棄になってしまうことを避けるため、生産者を支援したいという気持ちで購入している人も多いことが分かります。
2020年人気だった野菜は? 8割近くの人が野菜の価格高騰を実感
次に、野菜の購入傾向や価格について見てみましょう。2020年、もっともよく食べられていた野菜とはなんなのでしょうか。
【2020年 食べる機会が多かった野菜】 | |
1位 | たまねぎ 64.8% |
2位 | キャベツ 62.3% |
3位 | トマト 50.3% |
3位 | にんじん 50.3% |
5位 | じゃがいも 48.7% |
1位は日持ちのするたまねぎという結果に。僅差ながら、2位にはさまざまな味付けに合い、“かさ増し”にも便利なキャベツがランクインしました。
同率3位は彩りも鮮やかなトマトとにんじん、そして5位は腹持ちのいいじゃがいもという結果に。特段のクセがなく、和洋さまざまなメニューに使え、比較的入手しやすい定番の野菜が人気のようです。
さて、コロナ禍において、人々は野菜の値段に対してどう感じているのでしょうか。
・思う 75.5%
・思わない 5.5%
・どちらとも言えない 19.0%
なんと8割近くの人が、2020年は例年に比べて野菜の値段が高いと感じていることが分かります。これは、記録的豪雨や猛暑の影響で野菜の価格高騰実感が高まった2018年の77.7%に匹敵する高い割合とのこと。
具体的にどの野菜が高いと感じたかは、以下のとおり。
【「例年に比べて高い」と感じた野菜】 | |
1位 | キャベツ 40.6% |
2位 | レタス 31.0% |
3位 | きゅうり 28.7% |
4位 | トマト 27.1% |
4位 | 白菜 27.1% |
なんと、食べる機会第2位のキャベツが、高いと感じた野菜第1位という結果に。2位にはレタス、4位には白菜がランクインしており、全体的に葉物野菜を高いと感じる傾向が見て取れます。
同率4位のトマトも、先ほどのランキングに入っていた野菜。日頃買う機会が多い野菜ほど、いざ値上がりしたときに気づきやすいということなのかもしれません。
ちなみに、「値段が高くても買う」野菜については、1位がたまねぎ(26.1%)、2位がキャベツ(21.3%)、3位がじゃがいも(20.3%)でした。やはり使いやすい野菜は、多少高くても買いたいということなのでしょう。
野菜の価格が高いときに試したい工夫とは
野菜が高騰した2020年の食卓を救ったのは、どのような野菜だったのでしょうか。
【「2020年、例年に比べ購入量が増えた」野菜】 | |
1位 | もやし 20.6% |
2位 | キャベツ 9.4% |
3位 | たまねぎ 8.7% |
4位 | じゃがいも 5.8% |
5位 | にんじん 5.5% |
TOP5のうち、2位から5位までは買う機会の多かったランキングで上位だった野菜で占められています。
そんななか、桁違いで堂々の1位に輝いたのは「もやし」でした。安定的な低価格、そして“かさ増し”にピッタリの食材ということで、2020年の救世主に名乗り上げたということでしょうか。
野菜の価格が高騰したときは、各家庭で以下のような工夫が凝らされているようです。
1位:スーパーで見て安いものを買っている 53.5%
2位:もやしなど比較的安価な野菜で補足・代替している 42.3%
3位:料理に必要な最低限の野菜のみ買っている 36.1%
4位:安くなったタイミングでまとめ買いしている 30.0%
5位:冷凍野菜をつかっている 27.7%
求めていた野菜でなくとも安いものを買ったり、もやしなどの安価な野菜を買ったり、必要最低限な野菜だけ買ってロスを出さず結果的に安く済ませたりなど、みなさんさまざまな工夫をしているようです。
2021年も社会情勢や気象状況などによって、野菜の価格高騰に悩まされることもあるかもしれません。日頃の節約も兼ねて、このような工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか
[出典]
※タキイ種苗株式会社「『2020年 野菜の総括』2020年は野菜の買い方・摂取意識に変化 約半数は『非接触での野菜の購入経験あり』」(株式会社共同通信ピー・アール・ワイヤー)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部