更新日: 2021.07.02 貯金

これなら続けられる! ユニークな貯蓄方法にはどのようなものがある?

執筆者 : 秋口千佳

これなら続けられる! ユニークな貯蓄方法にはどのようなものがある?
「今年こそお金を貯めるぞ」と、年の初めに意気込む人は、たいてい半年後には「思っている以上に貯まっていない」と、通帳とにらめっこすることになるのではないでしょうか。そして、お金を貯めている人は、どのようなことをしているのだろう、と気になることでしょう。
 
そこで、今回は基本的な貯蓄方法と、ちょっと変わった貯蓄方法をご紹介します。
秋口千佳

執筆者:秋口千佳(あきぐちちか)

CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士

まずは貯蓄の基本の「き」

貯蓄には、大きく飛躍する時期というのが3回あるといわれています。
それは、

(1)社会人になったときから結婚するまでの独身期間
(2)結婚して子どもができるまでの期間
(3)子どもが巣立ってから定年退職するまでの期間

です。
 
しかし、こうした期間を有効に使えている人は少ないでしょう。社会人になってすぐの時期に、貯蓄を真面目に考える人は少ないです。親や会社の先輩からお金を貯めるようにいわれたとしても、方法が分かりません。日本では、制度としての金銭教育が進まず、親からお金の常識を学ぶのが実情で、(1)の期間は短くなります。
 
では本題です。貯蓄の基本の「き」は、多くの人が実践している「先取貯蓄」です。これが大原則です。つまり「収入―支出=貯蓄」ではなく、「収入―貯蓄=支出」です。
 
その一番楽な方法が「積立預金」です。給料の入る口座から毎月定額を別口座に貯めていくという方法です。一概にはいえませんが、基本的に人は、一番見る金融機関の口座にお金を置いておくと、その残高にゆとりを感じ、つい使いこんでしまいます。それを未然に防ぐには、使う前に自動的に別口座に移す「積立預金」が最適といえるでしょう。
 

基本の「き」の応用編

次に紹介するのは「積立預金」の応用編です。積立預金は同じ金融機関で普通預金から積立預金にお金を移すということでした。これをまったく異なる金融機関に移動させるのです。異なる金融機関の選び方は人それぞれですが、おすすめは、「気に入った旅行先にある地方銀行や信用金庫」です。
 
例えば、北海道が好きな人は、北海道にしかない金融機関で口座を開設し、その口座にお金が貯まったら北海道に旅行に行き、その貯まったお金で北海道旅行を楽しむ、という方法です。この方法なら、楽しみながらお金を貯めることができます。
 
ただし注意が必要です。現在、マネーロンダリングなどが問題になり、金融機関で新しく口座を開設することは簡単ではありません。そのため、金融機関には個人情報を正確に伝え、口座開設の目的を明確に示すことで、金融機関の理解を得る必要があります。
 
いずれにせよ、貯蓄の目的をもつことで、楽しみながらお金が貯められます。ポイントは「楽しみながら」です。
 

すべての支払いを1枚のクレジットカードに集約させる

クレジットカードは、使いすぎてお金が貯まるどころか減ってしまう、という声を聞きますが、実際にやってみると、お得です。例えば以下のようなメリットがあります。
 

(1)家計簿をつける手間が省ける
(2)カード明細を見直すことでお金の使い方を反省し、予算も立てやすくなる
(3)ポイントが貯まって、そのポイントを有効利用できる

 
これらは、実際に試した結果の話です。多くの人は家計簿をつけることが目的になり、つけることに満足し、その後に大切な「反省」「予算立て」ができていないので、お金が貯まりません。生活に関する支払いを「クレジットカード」と「(金融機関の口座からの)引き落とし」に集約しておくと、いつでも後から確認することができます。
 
例えば、

●夏は冬に比べて光熱費が高い
●冬は交際費がかさむ
●○○スーパーで買い物を続けるのと、□□スーパーで買い物を続けるのとでは、1ヶ月の食費が全然違う

など、反省と予算立てがしやすいのが特徴です。
 
さらに、クレジットカードを利用すると、ポイントが貯まるので、自分のご褒美として、商品を手に入れたり、商品券に交換したりすることも可能です。
 
すべての支払いを1枚のクレジットカードに集約させるとなぜ貯蓄につながるのか。それは、日々の買い物の金額をカードの明細で確認できるので、平均額も計算しやすく、例えばレジに並んだときに、買い過ぎていないかどうか意識でき、無駄を減らすことができるからです。
 

目的を明確にした貯蓄が一番増える

ここでは特に目新しい貯蓄方法をご紹介したわけではなく、すでによく知られている貯蓄方法で、いかに貯めていくかというポイントをお伝えしました。お金を貯めるには、少々の制限・我慢がつきものです。さらには、半永久的に続ける必要があるのも事実です。
 
そうであるなら、どこかに楽しみを盛り込むことで、制限と我慢を和らげてみるのはいかがでしょうか。長く続けるためにも楽しみという目的を盛り込んだ貯蓄をぜひ心がけてみてください。
 
執筆者:秋口千佳
CFP@・1級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員2種・相続診断士