更新日: 2021.07.21 働き方

女性は給与が上がりにくい? 勤続年数と給与の関係って

執筆者 : 下中英恵

女性は給与が上がりにくい? 勤続年数と給与の関係って
日本では、年齢が上がり勤続年数が長くなるにしたがって、給与が高くなる傾向があります。
 
しかし女性の場合、男性に比べると年齢が上がったり、勤続年数が長くなっても、平均給与が増えにくいという特徴があります。今回は、日本人の平均給与を確認しながら、効率よく給与アップを目指す方法を一緒に考えていきましょう。
下中英恵

執筆者:下中英恵(したなかはなえ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

“東京都出身。2008年慶應義塾大学商学部卒業後、三菱UFJメリルリンチPB証券株式会社に入社。

富裕層向け資産運用業務に従事した後、米国ボストンにおいて、ファイナンシャルプランナーとして活動。現在は日本東京において、資産運用・保険・税制等、多様なテーマについて、金融記事の執筆活動を行っています
http://fp.shitanaka.com/”

日本人の平均給与

まずは平均給与を確認していきます。国税庁の最新のデータ(※)によると日本人全体の平均給与は以下のとおりとなっています。


男性:540万円
女性:296万円
全体:436万円

男性の場合、平均給与が最も高くなる年代は55~59歳のときで、金額は686万円です。一方女性の場合、平均給与が最も高い年代は25~29歳のときで、金額は328万円となっています。
 
女性の場合、年齢が上がっても平均給与は増えず、毎年の給与は310万円~320万円前後で横ばいの状態が続きます。
 

勤続年数別の平均給与

次に、勤続年数別の平均給与をチェックしていきます。男性と女性の勤続年数別の給与は以下のとおりとなっています。
 

<男性>

勤続年数
1~4年 :386万円
5~9年 :465万円
10~14年:547万円
15~19年:618万円
20~24年:669万円
25~29年:746万円
30~34年:754万円
35年以上:656万円

 

<女性>

勤続年数
1~4年 :245万円
5~9年 :276万円
10~14年:312万円
15~19年:340万円
20~24年:375万円
25~29年:452万円
30~34年:429万円
35年以上:361万円

 
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与を勤続年数別に見ると、男性は35年未満までは勤続年数が長くなるにしたがい高くなり、勤続年数 30~34年が最も高くなります。
 
女性は30年未満までは勤続年数が長くなるにしたがい高くなり、勤続年数 25~29 年が最も高くなっています。
 

女性が効率よく給与を上げる方法

男性はある一定の年齢や年数までは、年齢が高くなったり、勤続年数が長くなると平均給与が上がる傾向が見られましたが、女性の場合は上昇率が男性ほど大きくありません。
 
女性が大幅な給与アップを目指すためには、今の会社にとどまって年次が上がるのをゆっくり待つのではなく、思い切った転職をする方が近道となるケースもあります。
 
すでに専門知識や特別なスキルがある場合、比較的転職もしやすく、給与アップを狙いやすいでしょう。
 
一方、特に大きな強みがないという方の場合は、資格を取ったり、勉強したりと、売りとなる専門知識を身に付けることも大切です。どの分野の勉強をするか決める際には、求職情報とその職種の給与を先にチェックすることが大切です。
 
例えば、英語のスキルを身に付けて、英語事務の仕事に転職したいと考えている場合、そのお給与がどのくらいで、TOEICが何点くらい必要なのかチェックします。やみくもにスキルアップに励むよりも、目標がある方がモチベーションアップにつながります。
 
仕事に直結しやすい資格を探して取得を目指すのも、給与アップの近道です。医療事務、登録販売者、保育士、介護事務、調理師、ケアマネジャー、歯科助手、認知症介助士など、専門性が高い資格は転職に有利となります。
 
資格の勉強をしたり、転職活動を行うには、大きな行動力やパワーが必要になります。「今の職場で働き続けた方が楽だな」と考える人も多いかもしれませんが、大幅な給与アップを目指すためには、自分の仕事を見直すことも大切です。
 
今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分のこれからの仕事内容について、考えてみてはいかがでしょうか。
 
出典
(※)国税庁長官官房企画課 令和元年分 民間給与実態統計調査 令和2年9月
 
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者

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