更新日: 2023.03.28 その他家計

6月から「きのこの山」「たけのこの里」が値上げ! このままインフレが続くと「100万円」あっても買える量が減る!?

執筆者 : 齋藤彩

6月から「きのこの山」「たけのこの里」が値上げ! このままインフレが続くと「100万円」あっても買える量が減る!?
原材料価格や原油価格の高騰、物流コスト等の問題により、株式会社明治が「きのこの山」と「たけのこの里」の約30年ぶりの値上げを発表しました。近年、食品だけでなくさまざまなものが値上げされており、負担を感じている方も多いでしょう。
 
本記事では、「きのこの山」と「たけのこの里」の値上げについてと、物価が上がり続けると、現在の100万円の価値がどのように変化していくのかについて解説します。

「きのこの山」と「たけのこの里」の値上げは約8%

株式会社明治によると、2023年6月1日出荷分より「きのこの山」と「たけのこの里」が約8%の値上げとなります。
 
さらには、市販用アイスクリームの内容量の変更等も予定されており、価格変更や内容量変更の対象は市販用アイスクリーム2品、チョコレート・グミなどの菓子類5品です。今まで購入できていた金額で購入できなくなるということは、相対的にお金の価値が下がっていることを示します。
 
このように、物価が上がり、お金の価値が低下することをインフレーション(以下:インフレ)といいます。
 
また、市販用アイスクリームでは明治エッセルスーパーカップミニ超バニラと明治エッセルスーパーカップミニクッキーバニラが内容量の変更となります。現行では90ml×6個入りの希望小売価格は480円(税別)ですが、変更後は希望小売価格は変わらず80ml×6個入りと内容量が11.1%減ります。このように、価格は変わらないのに内容量が収縮(シュリンク)することをシュリンクフレーションといいます。
 
ステルス(敵のレーダーには映らない戦闘機)のように見つかりにくい値上げでもあるため、ステルス値上げとも呼ばれます。企業が商品の値上げを行いたい場合、あからさまに値上げをすると消費者の購買意欲を下げてしまい、売り上げが落ち込んでしまう可能性があるため、価格やパッケージは変えずに内容量やサイズを縮小させることで、実質的な値上げをするものです。
 

インフレが続くと現在の100万円はどうなる?

スーパーなどで食品や生活用品が値上がりしていると、インフレを実感しやすいかもしれません。「貯金をしっかりしているから価格が上がっても大丈夫」と思っている人もいるかもしれませんが、インフレはお金の価値にも影響を与えます。
 
政府・日本銀行では年2%のインフレを目標としています。では、もし年2%のインフレが起きた場合、現在の100万円の価値はどうなるでしょうか。
 
1年後には現在の100万円の価値は約98万円になります。現在100万円で購入できる車があったとすると、同じ車が1年後には2万円足りず購入できないということを意味します。そのため、10年後には現在の100万円の価値は約82万円、20年後には約67万円になってしまいます。
 
同じように、きのこの山やたけのこの里も、同じく100万円があったとしても、インフレによって購入できる個数が減ったり、シュリンクフレーションによって食べられる量が減ったりしてしまいます。
 

インフレを考慮した資産管理をしよう

本記事では、「きのこの山」と「たけのこの里」の値上げを例にあげて、インフレとシュリンクフレーション、インフレが続くと現金の価値はどうなるのかを解説しました。
 
政府・日本銀行は年2%のインフレを目指しています。現在、日本の定期預金はほとんど利息がつきません。株式会社ゆうちょ銀行の定期預金金利は0.002%なので、貯金だけの場合、インフレが続くと現金の価値は目減りする一方です。
 
国民の資産形成を後押しする制度としてNISA(ニーサ)・つみたてNISAなどの制度もありますので、活用するのも1つの方法です。インフレを考慮していないと、「思っていたよりもお金が必要になる」ということになりかねません。将来あわてずにすむように、インフレを想定した資産管理をしましょう。
 

出典

株式会社明治 価格改定および内容量変更のお知らせ
日本銀行 金融政策の概要
株式会社ゆうちょ銀行 金利一覧
 
執筆者:齋藤彩
AFP

ライターさん募集