新しいことを教わって、できることが増えれば増えるほど大きな励みとなり、やがて身についた技術や心意気は、自信、財産になります。もちろん親としても、子どもの成長を感じるのは、実に嬉しいものです。
とはいえ、現実的なところ習い事には相応の費用がかかり、習い事の種類や頻度を増やせば出費もかさんでいきます。限りある家計の中で、習い事に支出できる額は、いくらくらいなのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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いま、人気のある習い事は?
実際のところ、習い事をしている子どもはどのくらいいるのでしょうか。
小学2年生、小学5年生、中学2年生の子どもについての調査を見てみましょう。平日に習い事や塾に通っている子どもの割合は、7割を超えています。休日についても、4割の子どもが習い事や塾に通っていると回答しています。
次に、習い事の内容を見てみます。平日の習い事は、スポーツ系の習い事と塾が多くなっています。スポーツ系の習い事が45.5%、塾が45.4%と、どちらも習い事をしている子どもの約半数が通っています。
スポーツ系の習い事としては、水泳、サッカー、野球、バレエなどが並んでいます。スポーツや塾に次いで多い習い事は、ピアノ、バイオリン、ギターなどの楽器演奏でした。
休日の習い事は、スポーツ系の習い事をしている子どもが6割弱と最も多く、次に塾、楽器演奏と続いています。
いくらかかっている? 習い事費用
こうした子どもの習い事費用ですが、年間いかほどの支出となっているのでしょうか。
小学2年生の場合、公立小で約19万1000円、私立小で約49万3000円。小学5年生の場合、公立小で約24万7000円、私立小で約68万9000円。中学2年生の場合、公立中で約25万8000円、私立中で約30万8000円という数字が出ています。
子どもの学年が上がるほど、スポーツ系の習い事にかける費用は少なくなり、塾などの費用が多くなる傾向があります。
これは、受験対策のための通塾のほか、小学生までは習い事でスポーツに慣れ親しんでいた子どもが、中学生になってから部活動で運動するようになるケースも多いことが影響していると考えられます。
ほどよい習い事費用とは?
さて、このような習い事費用は、限りある家計の予算内から出費するため、当然ながら世帯年収が高ければ、捻出できる習い事費用も高くなります。
子どもの習い事費用の割合が大きくなれば、その分、その他の支出を圧迫することにつながります。住居費などの固定費用を減らすことは不可能なため、将来のための貯蓄などに影響を与えてしまうかもしれません。
家計における、ほどよい子どもの習い事費用とは、一体いくらなのでしょうか。1つの目安として、習い事費用は手取り収入の5%と言われています。
手取り収入は年収の約7割から8割として算出します。ここから、1ヶ月当たりの習い事費用の目安が見えてくるので、ぜひ参考にしたいところです。
もちろん、習い事費用には月謝のほかに用具代や教材費、試合や発表会参加費、場合によっては交通費などが発生することも考慮すべきです。数多ある子どもの習い事は、どれもこれもなかなか魅力的で、厳選して絞り込むのは少々大変なことかもしれません。
一度始めた習い事は、辞め時を見極めるのが難しいものです。子どもにとって何が必要で、何が必要でないのか、習い事を始める前にはよく考える必要があります。あらかじめ達成の目標を定め、習い事の期間を限定してから始めるのも1つの方法です。
将来的に絶対必要となってくる進学費用をひっ迫してしまわないよう、習い事の費用は家計の中でバランスよくしたいものです。
出典:文部科学省「家庭・地域の教育力の向上に関する特別委員会(第6回)
文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の結果について」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部