更新日: 2019.06.13 ライフプラン

「どんなに頑張っても無理・・」教育費が準備できない時の対処法

「どんなに頑張っても無理・・」教育費が準備できない時の対処法
子供が進学をすると、多額の出費が発生します。
 
貯金が乏しく教育費や学費を賄えない、けれども子供の進路を閉ざしたくない、そういったご家庭のために用意されているのが「奨学金制度」と「教育ローン」です。
 
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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奨学金ってそもそも何?

高校・専門学校・大学への進学には、何かと出費がかさみます。私立大学であれば学費や生活費で年間数百万円の出費になってしまうことも。
 
そのような多額のお金を、家庭の事情や経済的理由で用意できない学生のために、貸与や給付を行ってくれるのが「奨学金制度」です。後述する「日本学生支援機構」の奨学金や、学校側が運営する奨学金など、いろいろな奨学金があります。
 
奨学金には、「貸与型」と「給付型」の大きく2パターンがあります。
 
「貸与型」は返済義務のある奨学金であり、在学中もしくは卒業後に奨学金を返済していく形になります。“借金”とはなりますが、一般的なローンに比べ利息は非常に低く、無理なく返済していくことが可能です。
 
「給付型」は、返済義務のない奨学金です。返す必要のないお金がもらえる制度ですが、審査が厳しくなります。
 

■貸与型

ローンのように返済義務がある奨学金

■給付型

返済義務のない奨学金。ただし審査が厳しい。
 
貸与型、給付型いずれにおいても、高校時の成績・家庭の貧困状況・学習意欲などの審査があり、審査を通過しないと奨学金制度は利用できません。
 
なお奨学金の場合、借主は学生本人となります。学生本人が将来的に返済義務を負います。
 

最もポピュラーな「日本学生支援機構」の奨学金

奨学金として、最もポピュラーなものが日本学生支援機構の奨学金です。
 
文部科学省所管の独立行政法人「日本学生支援機構(JASSO)」が運営する公的な奨学金制度であり、“奨学金”と言うと、まずはこれを指すことが多いです。学生であればどなたでも申請することができ、利用者も国内に多数います。
 
日本学生支援機構は4タイプの奨学金を用意しています。それぞれの特徴としては次の通り。
 
【日本学生支援機構の奨学金の特徴】

 
なお日本学生支援機構のこれらの奨学金は、複数併用が可能です。また日本学生支援機構以外の報奨金や教育ローンとの併用も基本的に可能です。
 

学校側で運営する奨学金

大学や専門学校側が運営する奨学金もあります。
 
例えば、私立の「早稲田大学」は、100個を超える奨学金制度を用意しています。早稲田大学が現在募集している奨学金の一つ「めざせ! 都の西北奨学金」は、首都圏以外の高校に通い、東京に出てくるのが金銭的に困難な学生を対象とした奨学金。
 
私立大学ではこのようなユニークな奨学金もあります。
 
早稲田大学に限らず、他の学校でも報奨金は豊富に用意されていますので、入学予定の学校の奨学金情報も併せてチェックしてみてください。
 

その他の奨学金

その他にも、地方自治体・民間企業・独立行政法人など、さまざま組織が学生向けの奨学金制度を運営しています。
 
「〇〇県在住の学生のみの奨学金」や「交通事故や災害で親を亡くし、進学を断念している学生を対象にした奨学金」など、特殊な奨学金もありますので、ぜひ調べてみてください。
 

奨学金と教育ローン

奨学金とは別に「教育ローン」というものがあります。どちらも学業のためのお金を貸す制度であり仕組みとしては似ていますが、奨学金は借主が学生本人、教育ローンは借主が親(保護者)という違いがあります。
 
また、奨学金は在学中の間には利息や返済は開始しないのが基本ですが、教育ローンは借りたその時から利息や返済が発生してきます。教育ローンは、住宅ローンや自動車ローンと同じようなものと考えておくと分かりやすいかと思います。
 
教育ローンには、国が運営する日本政府金融公庫の教育ローンと、銀行や信販会社など民間が運営する教育ローンの大きく2タイプがあります。
 
【国と民間の教育ローンの違い】

・日本政府金融公庫の教育ローン

国が運営する教育ローン。金利は低めだが、審査が厳しく貸付額も少なめ

・民間の教育ローン

銀行や信販会社が運営する民間の教育ローン。金利は高めだが、審査が緩めで貸付額も大きい。
 
なお、奨学金と教育ローンの両方を併用することも、もちろん可能です。
 

まとめ

これらの奨学金や教育ローンをうまく活用していくことで、経済状況の厳しいご家庭でも教育費や学費を捻出することができます。子供の将来を閉ざさないためにも活用してみてはいかがでしょう。
 
ただし、奨学金も教育ローンも、将来的に返済義務が発生することは事実ですので、その点は忘れないでください。
 
出典:JASSO「奨学金の制度(貸与型) 」  
早稲田大学 奨学課「めざせ! 都の西北奨学金(入試出願前に申請する奨学金)」
日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部