住宅ローンを減税し過ぎた・・なぜこんな事が起きてしまったのか |ファイナンシャルフィールド

更新日: 2021.08.25 住宅ローン

住宅ローンを減税し過ぎた・・なぜこんな事が起きてしまったのか

執筆者 : 村井英一

住宅ローンを減税し過ぎた・・なぜこんな事が起きてしまったのか
住宅ローン減税に関して過剰に減税を受けていた約1万4500人に対し、追加の納税を求めることを、国税庁が公表しました。
 
実は国税庁も気が付いていなかったのが、会計検査院の監査で発覚したということで、該当する人にとっては寝耳に水の話です。いきなり、「以前の申告に誤りがありましたので、不足分○万円を納付してください」と言われても困ります。
 
なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。
 
村井英一

執筆者:村井英一

国際公認投資アナリスト

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本証券アナリスト検定会員
大手証券会社で法人営業、個人営業、投資相談業務を担当。2004年にファイナンシャル・プランナーとして独立し、相談者の立場にたった顧客本位のコンサルタントを行う。特に、ライフプランニング、資産運用、住宅ローンなどを得意分野とする。近年は、ひきこもりや精神障害者家族の生活設計、高齢者介護の問題などに注力している。

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住宅を取得する場合の税制優遇策

景気対策として、国は住宅を購入する人のために、いろいろな優遇策を用意しています。住宅の購入は金額が大きく、景気に与える影響が小さくないためです。
 
代表的なのが、「住宅ローン減税」と言われるものです。マイホームを購入するために住宅ローンを組んだ場合、10年の間、ローン残高の1%分の金額が減税となる制度です。
 
一般の住宅であれば、1年につき最大40万円、長期優良住宅やエコ住宅だと最大50万円と、減税のメリットが大きい制度です。この制度により、所得税が0円になる人も少なくなくありません。
 
もう1つ、よく活用されているのが、親などから住宅購入資金の援助を受けた場合に、贈与税が非課税となる制度です。
 
原則、生活費や教育費でなければ、親からお金をもらう場合も贈与税がかかりますが、住宅購入のための資金に限っては、一定額まで贈与税がかかりません。現在は、通常の住宅の場合で700万円、優良住宅であれば1200万円まで、贈与税が非課税となります。
 
いずれも、期間限定の優遇策で、細かい条件が多々あります。適用される金額や期間もまちまちで、消費税引き上げによっても変わってきますので、住宅の購入を検討している人は、十分な確認が必要です。
 

減税額を誤るパターン

今回、指摘されるのは、住宅ローン減税と、親からの資金援助の非課税制度を併用した人です。
 
住宅ローン減税の計算の対象となる住宅の取得価格から、非課税制度を利用して親から援助を受けた金額を除く規定がありますが、そのことに気が付かなかった場合です。(相続時精算課税制度を利用して贈与を受けた場合も同じ)具体例で見てみましょう。
 
<事例>
物件価格:4500万円
親からの援助:700万円(贈与税の非課税制度を利用)
住宅ローン:4000万円(年末にローンを組んだ)
 
一般の住宅ローンであれば、1年目は住宅ローンの年末残高4000万円の1%、最大40万円の所得税減税となります。ところが、贈与税の非課税制度を利用している分は、住宅の取得価格から差し引かなくてはなりません。
 
住宅ローン減税の対象となるのは(4500万円-700万円)=3800万円までで、所得税が減税となるのは、3800万円×1%=38万円となります。減税額が2万円少なくなります。この分が納税の不足となり、国税庁はこれから対象者に通知するそうです。
 
数年分が対象となる人もおり、さらに延滞税もかかるとなれば、小さな金額ではありません。忘れたころにいきなり「払ってください」と言われても困りますが、納税については、申告した側の落ち度となります。
 
住宅ローン減税や贈与税の非課税制度の適用には、確定申告が必要です。申告書の記入に間違いがあれば、確定申告の際に指摘してくれれば助かるのですが、申告書の受付ではそこまでしてくれません。
 
住宅を購入した人は、これから確定申告の時期となります。申告書を提出する前に税務署で相談するなど、十分な注意が必要です。
  
※2019/01/29 内容を一部修正させていただきました。
 
執筆者:村井英一(むらい えいいち)
国際公認投資アナリスト
 

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