私は春から「新社会人」になるのですが、実家の親に「毎月3万円入れてほしい」と言われました。都内で一人暮らしを始めるためあまり余裕がないのですが、「実家への仕送り」は一般的なのでしょうか…?
配信日: 2025.02.22


執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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親に仕送りしている世帯は「約2%」
厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、親への仕送りをおこなっている世帯は全世帯の約2%にとどまっているようです。また、同調査によると親への1世帯当たりの平均仕送り額は月額5万6000円となっており、家計の負担にならない程度の金額を毎月仕送りしているようです。
新社会人の平均仕送り額はどのくらい?
新社会人の親への仕送り額はいくらくらいなのでしょうか。前述の調査によると、新社会人の年齢層を含む「29歳以下」の「親への仕送りありの世帯」において、1世帯当たりの仕送り額が「2~4万円未満」の世帯が、2万7000世帯ともっとも多くなっています。
また、同じく「29歳以下」の「親への仕送りありの世帯」において、1世帯当たりの平均仕送り額は「3万9000円」でした。すなわち、初任給から仕送りをする場合、「毎月3万円程度」であっても、平均仕送り額より下回る可能性は低いといえるでしょう。
高齢者の「25.4%」が「家計が心配である」と回答
では、仕送りをもらう側である親の気持ちはどうなのでしょう。
内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」が54.0%でもっとも多い一方、「家計にゆとりがなく、多少心配である」(20.3%)と「家計が苦しく、非常に心配である」(5.1%)を合わせると、25.4%が「心配である」と回答していることが分かりました。
この調査の対象年齢は60歳以上のため、年金をいつから受給し始めるかによっても、経済的なゆとりは大きく変わりそうです。
親への生活費の仕送りに「贈与税」はかからない
仕送りのことを考える時に、気になるのは税金関係です。なかには「贈与税がかかってしまうのではないか」と心配になった方もいるのではないでしょうか。
国税庁によると、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」は贈与税がかからないとされています。基本的に生活費の仕送りは贈与税の対象外となるため、基礎控除の「年間110万円以内」といった上限金額などもありません。
もっとも、今回のケースのような「毎月3万円程度」の仕送りであれば、いずれにしても贈与税はかからないと考えてよいでしょう。
まとめ
無理をしてまで親に仕送りをすると、自分の生活が苦しくなってしまう可能性があります。また、家計をともにしているパートナーがいる場合には、事前に相談をしておかないとトラブルにつながるケースもあるでしょう。親にも家計の見直しを求めつつ、親子ともに納得のいく形で仕送りをおこないましょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和4年国民生活基礎調査 世帯 表番号61 世帯数-1世帯当たり平均仕送り額,仕送り有-仕送り額階級-無・仕送りの種類(複数回答)・世帯主の年齢(10歳階級)別
内閣府 高齢社会対策に関する調査 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果(概要版) 第2章 調査結果の概要 3 経済的な暮らし向きに関する事項(44ページ)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
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