最終更新日:2019.01.10 公開日:2017.12.14
相続

相続を「争続」にしないために 知っておきたい遺書、遺言、エンディングノートの違い

考えたくないけど考えなくてはいけないのが、親やパートナー、また自分が亡くなったあとのこと。財産処分や、身内の死後の人間関係で困っている人のほとんどは「生前の話し合い」がされていなかったケースです。一方、言いだし辛かったけど、親と話しあった家族は、そのあと平和で仲良く暮らしています。
エンディングノートをきっかけに、上手に親子・夫婦で死後のコミュニケーションを図ってみませんか?
寺門美和子

執筆者:

Text:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

詳細はこちら
寺門美和子

執筆者:

Text:寺門美和子(てらかど みわこ)

ファイナンシャルプランナー、相続診断士

公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー
大手流通業界系のファッションビジネスを12年経験。ビジネスの面白さを体感するが、結婚を機に退職。その後夫の仕事(整体)で、主にマネージメント・経営等、裏方を担当。マスコミでも話題となり、忙しい日々過ごす。しかし、20年後に離婚。長い間従事した「からだ系ビジネス」では資格を有しておらず『資格の大切さ』を実感し『人生のやり直し』を決意。自らの経験を活かした夫婦問題カウンセラーの資格を目指す中「離婚後の女性が自立する難しさ」を目のあたりにする。また自らの財産分与の運用の未熟さの反省もあり研究する中に、FPの仕事と出会う。『からだと心とお金』の幸せは三つ巴。からだと心の癒しや健康法は巷に情報が充実し身近なのに、なぜお金や資産の事はこんなに解りづらいのだろう?特に女性には敷居が高い現実。「もっとやさしく、わかりやすくお金や資産の提案がしたい」という想いから、FPの資格を取得。第二の成人式、40歳を迎えたことを機に女性が資産運用について学び直す提案業務を行っている。
※確定拠出年金相談ねっと https://wiselife.biz/fp/mterakado/
女性のための電話相談『ボイスマルシェ』   https://www.voicemarche.jp/advisers/781 

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エンディングノートご存知ですか? 書いていますか?

「終活」。随分ポピュラーになった言葉ですが、いざ自分に落とし込んでみると、いつから始めたらいいのか、なにから始めたらいいのか、わからない人がほとんどだと思います。子どもがいない私はバツイチになったとき、初めて終活という言葉が身近になりました。
終活の第一歩は、エンディングノートが入りやすいのではないでしょうか。エンディングノートとは「高齢者が人生の終末期を迎え、死に備えて自身の希望を書き留めておくノート」といわれています。
 
しかし「高齢者」というキーワードが微妙です。以前は、60歳で還暦を迎えると高齢者かな? というイメージでしたが、私のまわりの60歳の人たちからは、そのようなイメージは皆無。むしろこちらが引っ張ってもらうくらいの勢いがあります。そうするといったい何歳から高齢期なの? いつごろエンディングノートを書けばいいの? と考えてしまいます。
 
私はこの秋、エンディングノートデビューを果たしました。いま、少しずつ書いています。常々、子どものいない私は死後の、財産整理などを決めておかないと、と考えていました。いろいろと研究を重ねているうちにエンディングノートを深めると、終活だけではない人生の「見返し」と「夢」が膨らんでくる、素晴らしいシステムということに気がつきました。
 

相続は別名「争続」。遺書と遺言の違い

相続は別名「争続」といわれるほど、残された人間関係を変えてしまうパワーがあります。それは財産があるなしにかかわらず、むしろ巨大な財産を残す人は顧問弁護士や税理士がいて、滞りなく準備されています。
実は、財産がほどほどの庶民のほうが揉める率が高いのです。また、日本人は「遺書」と「遺言」の区別がつかない人が多いとか。
 
遺書とは、死ぬこと、亡くなることを前提に、その直前に自分の気持ちを書き残しておくものです。遺言書は、自分の財産のこと、処分の希望などを書き残します。
エンディングノートとはこの両方をミックスしたもので、この具体的な資産の配分と個人の想いが重なって初めて、円満な相続が完了するといいます。
 
ところで、年間どの位の人たちが亡くなっているのでしょうか?平成28年度 厚生労働省の人口動態統計によると、昨年は130.7万人が亡くなっています。
 


 
出生数は年々減っていますが、死亡者は増え、自然増減数は2007年から10年間減少し、数値も増加しています。大正の後半から昭和27年ごろまでは毎年200万人前後、その中でも昭和16年~25年の団塊の世代を含む期間は、毎年240万~260万強の出生がありました。昨年の約3倍です。この世代の人たちが亡くなるとされる今後20年間は、亡くなる人の数はさらに増加するでしょう。
 
またこの世代の人たちは持ち家率も高く、亡くなったときの相続問題はどんどん増えるのではないでしょうか。
 

 
上記グラフを見てわかるとおり、相続問題を裁判所に持ち込むケースの75%が5,000万円以下で争うものです。
相続する不動産が1つでもあれば、5,000万前後の価値はつくでしょう。そう考えると「争続」が他人事ではないことがわかります。
 

エンディングノートに書く内容

相続でやっかいなのが不動産です。もっとも平和な解決法は、すべての財産を現金化してそれぞれの相続分で分けることですが、そう簡単にはいきません。
実家に長男が住んでいたり、嫁との折り合いが悪く長男は実家を離れ、結婚していない長女が暮らしていたりと、さまざまな事情があるものです。
 
また、親は子どもによって違う話をして、あの世へ旅立つこともあります。特に、老化が進んで病気になると愚痴っぽくなったりして、なにが真実だがわかりません。
エンディングノートに気持ちを残すことで、残された遺族は故人の本当の想いを知り、相続や葬儀の仕方などにも納得できるものなのです。ですから、エンディングノートには「ソフト」と「ハード」に分けた内容を書くといいでしょう。
 
●ハード=財産に関すること
 不動産・預貯金・有価証券・保険・貸金庫・手続きを託した人について(弁護士・FP等)・メルアド・PCや携帯の暗証番号 など
 
●ソフト=想いに関すること
葬儀について・延命治療について・子どもや家族たちへの想い・財産分与についての想い・遺品についての想い など
 
財産分与の対象になるものは、ハード面に記載します。遺言書を別途作成しておくと、残された遺族が平和に過ごせると思います。
 
しかし、それだけでは足りず、最近ではPCや携帯の暗証番号がわからなくて、慌てるケースが多いようです。また、遺族や故人に縁のある人に対してソフト面はとても重要です。私も母が亡くなったとき、しばらく心が折れる経験をしたことがあります。
それは、母は6人兄弟の5番目。高齢の姉たちと弟でした。母の病はALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病で、特に進行が早く治す手立てがありませんでした。その状態を高齢の姉たちに心配かけたくなく、母から「知らせないでくれ」と固く言われていました。
 
しかし、母の突然の訃報に伯母たちは納得がいきません。「どうして知らせてくれなかったの?」「看病してあげたかった」などと言われました。
母を失ったばかりのころは、母の気持ちもわからず、母を亡くした私たちへの配慮もない伯母たちを責める心もありました。
 
今は伯母たちの気持ちもとてもよくわかります。もしそこに母からの一言があれば、伯母たちも心が落ち着いたかもしれません。
このようにならないために、家族や知人たちに故人よりメッセージを残してあげると、故人を失った悲しみから立ち直るのも早いようですし、残された者で争うこともありません。
 
また最近では、葬儀のスタイルもさまざまです。私は、趣味のフラダンスを活かした葬儀で、お世話になった人においしいお寿司を食べてもらうスタイルにしたいと考えています。
このように、自分の葬儀スタイルのリクエストをしておくのも素敵なことかと思います。
 

エンディングノートの適齢期

エンディングノートは遅くとも50歳までに、と言われます。人間関係が熟成されたころですし、さまざまな経験から価値観が確立するころです。
死後のことは、元気なうちに判断したほうがよいと思います。そして毎年、見直しをするといいです。若いころに書いたものは、特にハードな面が変更されると思います。
また、法律の変更などで自分の希望と変化してしまうこともあります。そしてあまりに根を詰めず、書けるところから少しずつ書きましょう。エンディングノート作成は、思いのほか楽しいと思います。
 
しかし、これを親やパートナーに書いてもらうとなると結構なハードルがあるでしょう。それには、まずは自分が書いて相手にわたすことで解消されます。「私もいつ事故でなにがあるかわからないから、エンディングノート書いてわたすわ。
だから、お父さんやお母さんも書いて」と。そうすると、意外とスムーズに書いてくれるそうです。一緒にお茶やケーキを食べながら書くのもよいでしょう。
ご夫婦間でも一緒です。エンディングノートを一緒に書いたことも思い出になり、永遠の愛が築けるのではないでしょうか!
 
一橋香織FPが監修された『終活・相続の便利帳』(枻出版社)と出合い、私はエンディングノートに対する考えが一変しました。
一橋FPご自身が、ご両親を亡くされたときに経験された数々の痛い体験をもとに制作されただけあり、このノートの完成度は素晴らしいものですのでおすすめです。

Text:寺門 美和子(てらかど・みわこ)
ファイナンシャルプランナー/公的保険アドバイザー/確定拠出年金相談ねっと認定FP
岡野あつこ師事®上級プロ夫婦問題カウンセラー

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