更新日: 2019.05.17 その他相続

突然の巨額相続はありえるのか?交流のない叔母からの連絡

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 内藤悠作

突然の巨額相続はありえるのか?交流のない叔母からの連絡
映画や漫画では、「遠い親戚から莫大な遺産が舞い込んできた!」という大変うらやましい展開を目にします。
 
このようなことは、現実世界でも絶対にないとは言い切れません。もし、顔も知らない大金持ちの親戚がいたとして、その親戚に配偶者や子どもがいなかったら…。私たちに順番が回ってくる可能性は十分にあります。
 
しかし、実際、面識がない親戚の遺産を相続することは可能なのでしょうか。A子さんの例をみてみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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内藤悠作

監修:内藤悠作(ないとう ゆうさく)

弁護士/東京桜橋法律事務所

2009年弁護士登録。2016年にニューヨーク州のロースクールへ留学のため登録抹消するも、翌年復帰。

ITベンチャーを中心とした企業法務から、個人の法律問題まで、幅広く手掛ける。一歩先の展開を見通す状況分析を心掛けると同時に、依頼者の立場・心情に対する的確な理解を大切にしている。座右の銘は「生涯成長」。

50歳のA子さん。会ったことのない叔母さんから十数億円の遺産を相続することに!?

A子さんは現在50歳。都内で夫と2人の子どもと暮らしています。
 
A子さんの祖父母、両親は既に他界していますが、A子さんの母親の妹…つまりA子さんの叔母さんにあたる人は存命です。しかし、母親と叔母さんは折り合いが悪く、A子さんと叔母さんは今まで全く交流がありませんでした。
 
ある日、A子さんのもとに叔母さんの代理人という人から連絡がありました。
 
話を聞くと、「先日A子さんの叔母さんが亡くなった。彼女は結婚しておらず、子どももいない。唯一の肉親であるA子さんに財産を遺す旨を遺書に記している」という内容でした。
 
叔母さんは、晩年にA子さんの母親と仲たがいして、交流を絶ったことを後悔していたそうです。叔母さんは生前、不動産ビジネスで成功し、十数億円の遺産がありました。
 
それを知ったA子さんはびっくり。しかし、会ったこともない姪の自分が、叔母さんの遺産を引き継ぐ権利などあるのかと疑問に感じています。

*物語はフィクションです
 

会ったこともないおばから、莫大な遺産を相続することはできるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の内藤弁護士にお伺いしました。

A子さんは叔母さんの遺産を相続することができます。A子さんのケースでは、A子さんの叔母さんが、遺言によりA子さんに遺産を相続させることを記したようですが、仮にそのような遺言がない場合でも同様となる可能性が高いです。つまり、A子さんの叔母さんには子がおらず、A子さんの叔母さんが亡くなった時点でA子さんの祖父母(A子さんの叔母さんの両親)も既に他界しているとのことです。
 
そうすると、その他に存命の直系尊属の方がいない限り、相続権は姉であるA子さんの母親に移ります。しかし、A子さんの母親も既に他界していることから、代襲相続という仕組みにより、A子さん自身が相続権を得ることになります。
 
今回のケースでは、A子さんの叔母さんの代理人から連絡があったようですが、交流が全くない親族の場合は、連絡を受けないことも考えられます。そのような場合、公共機関が相続人を積極的に探して打診してくれるわけではないので、その点は注意が必要です。
 

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会ったことのない叔母からでも、遺産を相続することは可能

A子さんは、叔母さんの遺産を相続することが可能だということがわかりました。ただし、被相続人との交流がない場合は、相続したこと自体に気付くことができないこともありえるようです。
 
遺産目当てというわけではありませんが、万が一のために自分の親兄弟、親戚にどのような人がいるのかということは、ある程度把握しておいた方がいいかもしれませんね。もしかしたら、あなたにも裕福なおじさんやおばさんがいるかも…?
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部

監修:内藤 悠作(ないとう ゆうさく)
弁護士/東京桜橋法律事務所

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