公開日: 2020.07.15 相続

トラブルになりやすい「遺産分割協議」3つの合意の壁と分割を進める方法とは

執筆者 : 宿輪德幸

遺言がなく相続が発生した場合、遺産分割協議で財産の分け方を決めます。
 
しかし、全員の合意がなければならないこの協議が壁となって、トラブルに発展することが多いのです。
 
宿輪德幸

執筆者:

執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)

CFP(R)認定者、行政書士

宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
また、離れて住む親御さんの認知症対策、相続対策をご心配の方のために、Web会議室を設置。
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宿輪德幸

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遺産分割事件の流れ


※筆者作成
 
遺言や民事信託により財産の取得者が指定されていれば話し合いは必要ありません。
 
これがない場合は、法定相続人全員で分割方法を決めることになります。
 
全員の合意が絶対で、1人でも協力しない人がいると成立しません。
 
平成30年の遺産分割事件の新受件数は、司法統計によると1万5706件となっています。
 

合意の壁

(1)財産が少ない

「争族」はお金持ちの話と誤解している方もいますが、遺産分割事件の4分の3程度は財産額5000万円以下で占められます。
 
財産が少ないと、納得できる財産を取得できない相続人が発生してしまいます。
 
例えば、自宅以外にあまり財産がない場合には、自宅を相続しない相続人の取り分が少なくなってしまいます。
 

(2)ルールを知らない

相続は多くの人が関係しますが、そのルールを知る人はわずかです。
 
故人名義の不動産を放置しても差し当たっての不便はありませんが、いざ売却というときには遺産分割協議書がなければ変更登記ができません。
 
さらに相続人が認知症になっていると、遺産分割協議もできません。
 
このことを知らないので、放置してしまうのです。

(3)1カ所に集まれない

相続人の住所が遠い場合には、集合して協議することが物理的に難しくなります。
 
葬儀や法事くらいしか全員が集まることはありません。
 
この機会を逃すと、遺産分割協議を行うことが困難になります。
 

遺産分割を前進させるには

(1)誰かが声をあげる

相続税の基礎控除額を超える遺産があれば、税務手続きの期限があるので早めに手を付けますが、それ以下の場合には特に期限もなく相続手続きが長引きがちです。
 
長引くことがトラブルの原因にもなりますから、誰かが「遺産分割協議をしよう」と声をあげることが必要です。
 

(2)協議の場所と時間

相続人全員が集まる機会は多くありません。
 
法事などで集まるときに、全員で協議する時間を計画的に確保してください。
 
協議の準備をして相続人に集まってもらうことが大切です。
 

(3)相続のルールを確認する

相続は民法でルールが定められています。
 
全員が合意できれば、法定相続分などを無視した分割も有効ですが、ルールを知らなければ決断しにくくなります。
 
費用は掛かりますが、専門家のサポートを受けることが安全で確実です。
 

Web会議の活用もあり

相続人全員が合意できるまで、複数回の協議が必要かもしれません。
 
法事などで集まった際に協議をして合意できればよいですが、できない場合にはWeb会議システムなどの利用も有効でしょう。
 
新型コロナウイルスの影響で、Web会議を利用するハードルは以前より低くなっています。
 
スマホがあればオンラインでの協議が可能な時代です。
 
・相続人の居住が離れていても支障ない(海外でも可)
・参加するのに交通費も掛からない
・専門家のサポートが受けやすい
 
など、Web会議は遺産分割協議に適しています。
 
少なくとも、全員が集まれないからといって先送りするよりは、Web会議を活用して協議を進める方がいいのは明らかです。
 
合意さえできれば、署名押印は書面を郵送で回せば可能です。
 

まとめ

相続人の関係が良好で、遺産分割協議書の押印がスムーズに進むのが理想です。
 
しかし現状は、遺産分割を放置して相続登記されない「所有者不明土地」が増えています。
 
所有者不明土地問題研究会によると、その土地面積は2016年時点で約410万haと推計されています(九州本島の土地面積は約367万ha)。
 
土地を有効な資産として承継するため、相続手続きをしっかりと完了させてください。
 
出典
一般財団法人 国土計画協会 「所有者不明土地問題研究会 最終報告概要」
 
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士

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