最終更新日: 2020.07.30 公開日: 2020.07.31
相続

成年年齢が18歳になるとどのような影響があるのでしょうか?

執筆者 : 高橋庸夫

2018年6月に成立した民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)により、2022年(令和4年)4月1日から、日本の成年年齢は20歳から18歳に引き下げられます。
 
この成年年齢は、民法が制定された1896年(明治29年)から20歳とされてきたもので、その始まりは、さらに古い明治9年の太政官布告にさかのぼるため、実に約140年ぶりの改正とされています。
 
民法の定める成年年齢は、単独で契約を締結することができる年齢という意味と親権に服することがなくなる年齢という意味を持つものですが、今回は、成年年齢引き下げによる相続税と贈与税における影響を中心に確認してみたいと思います。
 
高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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高橋庸夫

執筆者:

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

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相続税における影響

まず、大前提として相続税や贈与税は年齢に関係なく、未成年であっても課税される場合には、申告および納税が必要となります。この点においては、成年年齢の影響は関係ありません。
 
相続税には、未成年者控除という制度があります。名称のとおり、相続財産を取得した相続人が未成年者の場合、成人に達するまでの年数によって計算された控除額を相続税から税額控除できるという制度です。算式は以下のとおりとなります。
 
【未成年者控除額の算式】
 (20歳-相続開始時点の年齢)×10万円(1年未満の端数は切捨て)
 
この算式の「20歳」という年齢が2022年4月1日以降は「18歳」となります。単純に捉えれば、税額控除できる額が、これまでより2年分、つまり20万円少なくなることになります。
 

相続時精算課税における影響

相続税と贈与税の両方に関わる制度として、相続時精算課税制度があります。この制度は、両親や祖父母から子や孫が贈与を受ける場合に、贈与者ごとに相続時精算課税を選択することで、最大2500万円まで贈与税がかからなくなるものです。
 
ただし、相続時精算課税の名称のとおり、贈与財産は贈与者が死亡した際の相続財産として全額加算されることとなり、相続税の課税価格となります。
 
相続時精算課税を適用するためには、受贈者が贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上であるとの条件があります。そして、2022年4月1日以降の贈与については、適用時期が18歳以上となります。
 

贈与税における影響

贈与税の財産には、20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産の場合の「特例贈与財産」とそれ以外の「一般贈与財産」の2種類があります。そのそれぞれで適用される税率が異なります。
 
特例贈与財産の場合はその名称のとおり、特例税率が適用され、一般税率よりも低い税率が設定されています。そして、特例税率の適用は2022年4月1日以降、受贈者が18歳以上となります。
 

まとめ

成年年齢が18歳となるのは2022年だから、まだ少し先とお考えの方もいるでしょう。
 
今回は、相続税と贈与税に関する影響を見てきましたが、実際に子や孫の世代に生前贈与や事業承継などを具体的に検討されている方にとっては、すぐにでも影響が及ぶ可能性のある改正内容となるかもしれません。施行までもう2年もないですから……。
 
また、私たちの身の回りには、20歳以上を対象とする特例制度などが、これらのほかにも多数あります。そして、同じく2022年4月1日以降、20歳以上から18歳以上に適用範囲が広がるケースも多くあるでしょう。さまざまな特例制度などの対象年齢について少し注意して見てみることをお勧めします。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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