公開日: 2020.11.18 相続

40代、そろそろ相続について考えよう。相続財産の分け方の基本と親との向き合い方とは?

執筆者 : 仁木康尋

親が高齢になると、相続について真剣に考えなければなりません。親とどのように向き合えばいいのか、アドバイスします。
 
仁木康尋

執筆者:

執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

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仁木康尋

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執筆者:仁木康尋(にき やすひろ)

日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

人事部門で給与・社会保険、採用、労務、制度設計を担当、現在は人材会社のコンサルトとして様々な方のキャリア支援を行う。キャリア構築とファイナンシャル・プランの関係性を大切にしている。

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相続の基本を知る

まずは、相続に関する基本的な知識について知っておきましょう。
 

(1)相続人は誰がなる?

民法で定められた相続人のことを【法定相続人】といいます。被相続人に子がある場合には「配偶者と子」が法定相続人です。配偶者は必ず法定相続人になります。
 
加えて、子(死亡している場合、その子や孫)→父母(死亡している場合、本人の祖父母)→兄弟姉妹(死亡している場合、その子)の順に資格が生じます。上位者がいなければ下位に移ります。
 

(2)相続財産の分け方は?

相続人が配偶者と子の場合は、配偶者が1/2、子が1/2 (子が複数いる場合はこれを等分します)です。これを【法定相続分】といいます。民法ではこのように相続人が取得する相続割合を定めていますが、遺言書がある場合には遺言書の内容が優先されます。
 
ただし、兄弟姉妹以外の相続人には【遺留分】として法定相続分の1/2を取得する権利があることも知っておきましょう。また、相続人全員の意見が一致すれば法定相続分を変更できます。
 

(3)相続税は?

相続税が発生するかどうか大まかに確認する方法は以下のとおりです
 
◆【基礎控除額】を確認する
3000万円+600万円×法定相続人の数
法定相続人が「配偶者と2人の子」の場合は、法定相続人の数は3人ですので3000万円+600万円×3=4800万円です。
 
◆非課税になるものを確認する
生命保険金や死亡退職金・・・それぞれ500万円×法定相続人の数まで非課税
 
◆控除できるものを確認する
・未払いの税金や借入金などの債務
・通夜や葬式にかかった費用(ただし、香典返しや法要の費用・墓地購入代金などは含まれません)
 
◆正味の遺産額を計算する
土地・建物や預金等の財産から借入金や未払金等の債務を引いて算出します。この際に生命保険金や死亡退職金はそれぞれ非課税限度額を超えた分を加算します。
 
◆小規模宅地等の特例
被相続人やその人と生計を一にしていた親族が居住用に利用していた宅地については80%評価額が減額される【小規模宅地等の特例】があります。要件に合致していれば適用されます。宅地の評価は、路線価が定められている場合は路線価をもとに計算します。
 
◆正味の遺産総額から基礎控除額を差し引く
基礎控除額を超えた部分があれば、その部分に課税されることになります。税額の計算方法は、遺産を法定相続分で分割したものと仮定して相続税の総額を計算します。計算された総額を実際に遺産分割した割合により案分して、各人の相続税を計算します。
 
なお、配偶者には【配偶者の税額軽減】という規定があります。相続した財産が、配偶者の法定相続分相当額以下、または 1 億6000万円までの金額については、配偶者に相続税はかかりません。残された配偶者の生活の保障や、財産形成などへの貢献を配慮したものになっています。
 

(4)申告と納付期日

死亡した日から10カ月以内に行います。その間に遺言書の確認、相続人の確認、遺産の評価・鑑定、遺産分割協議書の作成、遺産の名義変更手続き、相続税申告書の作成、納税資金の準備を行います。
 

親との向き合い方

このように相続には、民法上の決まりや税法上の決まりがあります。また、遺産の分割で親族間の関係が悪くなることも避けたいところです。場合によっては、相続税の納税のための資金の手当ても必要になります。残される遺族としても考えられるリスクを想定して、事前の対策はしておきたいところです。
 
では、どのようなスタンスで「相続という課題」に向き合っていけばよいのでしょうか?
 

(1)親の思いに寄り添う

最も重要なことは、親の思いに寄り添う姿勢だと思います。相続の話だけに限定せずに、これからの人生について話し合う機会を設けられるといいですね。
 
住まいのこと、介護や認知症になった場合のこと、財産の管理について、亡くなった後の配偶者の生活のことなど、最初は漠然とした内容でもいいと思います。これをきっかけに、内容が具体的になっていけばいいと思います。市販されている「エンディングノート」なども役に立ちますので、活用してはいかがでしょう。
 

(2)相続に伴う課題の共有

そして、相続について起こり得る課題について共有することです。
 
◆遺産の分割について
不公平感による遺族同士の争いは避けたいところです。法定相続分どおりにきれいに分割できない場合、【遺留分】にも考慮しつつ納得感が得られる方法を話し合えるといいですね。
 
◆残された親の生活について
その際には、残された親の生活基盤の確保を軸に組み立てることも重要です。例えば、住まい、老後資金、介護・施設入居する場合の費用などについて考慮しておきます。そのため、預金もある程度は確保できるようにしたほうが安心です。
 
【配偶者居住権】という枠組みが今年の4月から始まりましたので、預金も相続しつつ愛着のある自宅で暮らしたいという希望がかなえられる仕組みになっています。所有権を相続するよりも価値を低く抑えられるため、預金等の比率を高めることができます。
 
◆相続税について
また、相続税についても大まかにイメージはしておいたほうがよいですね。相続税がかかるのか? かかる場合には納税額総額はどのぐらいになるのか? 各相続人が負担する納税額はどのぐらいになるのか? 程度で結構です。
 

(3)判断力の低下に備える

年齢別人口に占める要支援・要介護認定者の割合は70歳代後半で12%、80歳前半で27%になっています。その原因で最も多いのが「認知症」で18%を占めています。【成年後見制度】など、判断力の低下も見据えた対策も併せてしておくと安心です。
 

まとめ

まずは相続の基本的な知識を知っておく必要があります。次に事情に応じて、どのようなことがリスクとして考えられるかを把握した上で対応するといいでしょう。
 
親の思いを尊重しつつ、残された遺族のリスクについても理解を得ながら進めます。また、判断能力が低下する前に話し合いを進めておきたいところです。
 
執筆者:仁木康尋
日本FP協会CFP(R)認定者、国家資格キャリアコンサルタント

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